斉藤君と幸人さん
□第十三話
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あまりの腰の痛さに目が覚めた。
ついでに昨日のことも。
「っ…」
自分が自分でないようだった。
鮮明すぎるほどはっきりと覚えている昨夜の記憶は、自分をまるで現場に立ち合った第三者のような感覚に陥らせた。
「(……)」
身体中の痕が語る昨夜の行為。
あまりにも恥ずかしくて布団に潜った。
「…いつまで、」
いつまでこうやっていられるだろう。
いつまでこうやって彼の隣で眠れるだろう。
いつまでこうやって落ち着いていられるだろう。
いつまでこうやって…彼の愛を受けていられるだろう。
「いやだ、」
嬉しいはずなのに、
心の片隅で望んでいたことなのだから、嬉しいはずなのに。
なのに何故、
「いやだ、いやだ、いやだ…」
何故こうも不安になるのだろう。