斉藤君と幸人さん

□第十四話 前日
1ページ/2ページ

ことの発端は今朝の電話だった。


「誕生日…ですか?」

『そう』

「でも、さ、斉藤くん、何にも、言って、なかった…」

『忘れてんだろ?』

「でも、誕生日って、その、あんまり、忘れない、」

『アイツはそーゆーやつ』

「はあ…」

『つーわけで俺んち来いよ。大紀仕事だろ?』

「え、あの、でも…」

『来いよ?』

「い、家、わ、わわ分かんないし、えっと、」

『じゃあ迎えに行ってやる。安心しろ』

「そ、そうじゃなくて、」

『さっさと用意しとけよ、じゃあな』




或る誕生日の事【前日】
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ