斉藤君と幸人さん

□番外編3
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ルルル ルルル


「はい永田」

『……』

「もしもし?」

『…ぁ、』

「…どちら様?」

『……』

「嫌がらせかなにか?」

『ちが…!!…あ、の…』

「…幸人?」

『…あぃ…』

「な、なに?僕に電話って、め、珍しいじゃない」

『あ、の…今日、あの…空いてます…か…?』

「今日?仕事は入ってないけど…」

『…じゃあ、あの、その、家…来てください…う、上杉くんと…』

「…え?」

『…あの…?』

「…なに幸人、僕に添い遂げるって決めたの?」

『え、え…?』

「恥ずかしがることないよ。やっと僕の魅力に気付いたみたいだね。幸人の好きな物を持っていくよ。何が欲しい?」

『あ……ぇ、あの、ちょっと…』

「幸人?」

『あんたは誉を連れて家に来ればいいんです』

「…斉藤くん、だっけ?」

『はい』

「今僕は幸人と喋ってるんだ。邪魔をしないでもらえるかな」

『幸人さんは伝えるべきことを伝えました。あなたは誉を連れて家に来ればいいんです』

「そもそも何で君が誉を知ってるんだ?」

『聞いてませんか?誉は僕の従兄弟です』

「…へえ、世間は狭いね」

『そうですね。それじゃあよろしくお願いしますさようなら』



ガチャ ツー ツー ツー



「…ふう、」



カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ カチ



『…はい、』

「誉か?」

『…はい』

「お前の従兄弟くんから家に来いと電話があった」

『…え、従兄弟…』

「斉藤大紀、だっけ?」

『…ああ、大紀……あれ、何で知ってるんですか…?俺言ったっけ…?』

「だから今電話があったって…寝起き?」

『んー…まあ…仕事、休みだし…』

「まあいい。ところで僕は幸人の家を知らない」

『…はあ、』

「だから迎えに来なさい上司命令」

『…はあ、了解しました』

「じゃあまた」



ピッ





—その頃桐山家

「あ、あの、斉藤くん…」

「大丈夫です。害虫は駆除しましたから(にっこり爽やかスマイル)」

「……はい(こ、恐い…)」
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