木ノ葉に咲く花
□プロローグ
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今は昔
此花の姫君なる人
ありけり
その人いと清らなりて
けはひやさしく
ここらの民に偲ばれけるが
二人の君
姫をゆかしがり給ひて
いかで得てしがなと
あやしの力持て争へば
人智及ばぬ嵐の下に
荒ぶる獣生まれ出づるなり
姫 これを憂ひて
神隠れにぞなりにける
此花の後も
絶えて知る人ぞなき
→訳
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