木ノ葉に咲く花

□第二話 真夜中の邂逅
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 サクヤは十両均一で急遽買ったピンクのビーチサンダルを履いている。
 下ろしたばかりだったので「勿体無い」と洗って使おうとしたのだが、すったもんだの挙げ句、汚れた靴はサスケによってゴミ箱へ放り込まれたのであった。

 二人が商店街にやって来た頃には、日がとっぷりと暮れ、薄暗い夜空に明るく一番星が輝いていた。
 この近辺は惣菜を扱う店が多く、空腹を助長する何とも美味しそうな匂いが鼻をくすぐる。

「じゃがいもはあるから、トマトに牛乳…」

 グラタンの付け合わせはサラダがいい。デザートはヨーグルトにしようか。

 あちこち店を見て回り、二人分の材料を買い込んでいくサクヤだったが、それを隣で見ていたサスケの頬はだんだんひきつっていった。

「…おかしいな」

 家路につく頃になってサクヤはふと首を傾げる。
 買い物袋の中身は、鶏ササミや豚のバラ肉、合挽き肉、レタスに大根、トマトにキュウリ、ピーマン、ナスと、買った物から買った覚えのない物まで、あげていけばキリがない。

「ねえ…買った物よりオマケのが多くない?」
「もっと早く気付けよ。何だこの量!もはや嫌がらせじゃねーか…」

 パンパンのビニール袋で両手が塞がり、苦悶の表情を浮かべたサスケが呻く。_
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