木ノ葉に咲く花

□第三話 砂礫の雨と芸術少年
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 フライパンの上でパチパチとはぜる音を出す、二つの目玉焼き。
 半熟になるのを見計らって火を止め、真っ白な皿に移す。

 ご飯に味噌汁、目玉焼きと大根サラダをテーブルに並べ、サクヤはベランダに出ると隣人を呼んだ。

「サスケー、朝ごはん作ったけど食べないの?」
「いらねーって昨日言わなかったか?今日はサバイバル演習やるとか何とか…それより」

 寝起きで不機嫌そうなサスケはベランダに出てくるなり、柵から身を乗り出して言った。

「お前もやったんだろ、サバイバル演習」

 下忍になる者は誰しもが通る試練の道、サバイバル演習ことスズ取り合戦。
 そういえばやったな、懐かしいなぁ、とサクヤは遠い目をした。
 戦後初、特例中の特例で卒業試験に臨んだはいいがチームメイトがアカデミーの先生だったのは、少し寂しい思い出である。
 三人一組を一単位とする為に、卒業候補生の総数+自分ではどうしても数が合わなかったのだ。

「担当上忍が吐く程キツイって言ってたが…。実際どうだったんだよ?」
「んー…ごめん。サバイバル演習の歴史は長いけど、経験者は演習について喋っちゃいけないってのが暗黙のルールなの。私に言えるのは、チームワークを大切にって事くらいかな」

 個人プレーはほどほどにねと言うと、サスケはちょっとばかり不服そうに頷いて自室に戻って行った。

「さて、私も仕事!」

 今日の仕事は資料室の整理。ほとんど非番のようなものだが、これも大事な任務の内だ。

 二人分の朝ごはんをペロリと平らげ、サクヤはアカデミーへと足を向けた。
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