木ノ葉に咲く花

□第八話 内通者
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 霧深い森の中、幾分開けた場所に、円筒状の壁面と尖り帽子のような屋根を持つ特徴的なツリーハウスがあった。
 建物内部は吹き抜けになっており、大人が五十人は余裕で入れるくらい。
 その広い空間の中にはベッドが一つあるだけで、その他の家具はほとんど見当たらない。
 白は、ベッドに臥せっている再不斬の枕元に立ち、彼の寝顔を静かに見守っていた。
 戦いに明け暮れる日々よりも、こうして穏やかに過ごす時間の方が、自分は好きだ。

 しかし、そんな時間も長くは続かないもの。
 複数の無粋な足音が近づいて来て、二人の柔らかな静けさを破った。

「全く…。アンタまでやられて帰って来るとは、霧隠れの忍者はよっぽどのヘボと見える!!」

 侍を思わせる屈強な男二人を従えた小柄な男一一ガトーは、嘲るように鼻を鳴らした。

「部下の尻ぬぐいも出来んで何が鬼人じゃ…笑わせるな」

 失敗は死をもって購え、というニュアンスを読み取ったのか、あるいは単に斬りたくてウズウズしているだけなのか、二人はそれぞれ刀に手を遣る。

(居合いか…?)

 しかしガトーはそれを制し、横たわる再不斬にずかずかと歩み寄ると、

「なあ、黙っている事はないだろう?何とか…」

 彼の喉元に枯れ枝のような腕を伸ばした。
 一一が、
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