聖闘士星矢

□謝罪
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アテナ達神々のお陰で甦ったは良いが、まさかアイオロスまで復活しているとは予想外だ。
どんな顔をして会えばいい。
お前を殺した俺は、一体どんな顔をしてお前に会えばいいのだ。
俺は岩影の間に身を潜ませ、小宇宙を気づかれないように、必死で抑えた。
山羊座のシュラともあろう者が、このようなことで、怖じ気づくなど情けない。
しかしこれは、謝って許されるものではない。
真の黄金聖闘士だったアイオロスの未来を切り捨て、死に追いやり、弟のアイオリアまで苦しめてしまったのだから。
会える筈がない。
俺は、まだどよめきの絶えぬ広場を後にして、磨羯宮に向かおうとした。
その時。

「久し振りだな。シュラ」

目の前には見知った顔があった。
アイオロス!!

「……あぁ、そうだな……」

俺は今、どのような表情をしている。
固まっているのか。
それとも無表情か。
分からん。
思考が凍てついて、うまく働かないのだ。

「少し、顔を貸してくれないか?」

アイオロスはそう言って俺を無理矢理、人馬宮の近くの鍛練場に連れ込んだ。
鍛練場には俺達以外に誰もいなかった。
気まずい。
言葉が見つからない。
だが、このままではいけない。
一体、どうすれば。

「相変わらずだな。シュラ」

俺に向かい、苦笑を浮かべるアイオロス。
ますます思考が追いつかない。
今、何を言うべきなのか。

「お前が今何を考えているのか、当ててやろうか?」

唐突にアイオロスが言ってきた。

「お前は今、謝罪の言葉を探している。だが謝罪だけじゃない。俺にどう償いをしようか考えている。違うか?」

「……そうだ」

絞り出せた言葉がこれとは、情けなさすぎて涙が出る。
一方のアイオロスは、読みが的中したことに満足そうな顔をしている。
しかし、すぐにその表情は崩れ、悲しげに歪んだ。
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