short story
□天国からのラブレター
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地元の大学に通い始めて3年。
文学部に通う私に、少し奇妙な課題が出された。
所属ゼミの先生から課せられた課題は、
「たった一つ、絶対に願いが叶うといわれる魔法の紙にあなたが書く願い事を考えなさい。」
という、訳の分からない課題だった。
大学の授業とも何の関係もない課題だが、人間性が分かり面白いと毎年先生は出しているらしい。
今年も例外なく出されたその課題に、私はすぐに答えることが出来なかった。
「考えると、意外と難しいもんだろう。」
先生はそう言って意地悪な笑みを浮かべ、次のゼミまでの課題だといって私達生徒を送り出した。
そんな大学からの帰り道、私はいつものように、家の近くにあるおばあちゃんの家に立ち寄った。
一人暮らしをしているおばあちゃんが、私は昔から大好きだった。
最近は体調を崩し、寝ていることが多いおばあちゃんが心配で、私は大学の帰りにいつも顔を出していた。