short story

□天国からのラブレター
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「おばあちゃん、ただいまー。」


玄関から声をかけ、居間に上がると、珍しくおばあちゃんが起きていた。


「あら、おかえり。今日は早いのねぇ。」
「おばあちゃん、今日は体調良いの?」
「えぇ、今日は体が軽くてね。久しぶりにおじいちゃんに手紙を書こうと思ってね。」



おばあちゃんが座る机の上には、書きかけの便箋と、おばあちゃんがいつも使っている万年筆が置かれていた。


「おじいちゃんに手紙かぁ。おばあちゃんよく書いてるよね。今日も燃やしちゃうの?」
「えぇ。書き終えたらね。」
「そっか。」


おじいちゃん、つまりおばあちゃんの旦那さんに私は会ったことがない。
私が生まれたときにはもう、天国に旅立っていたからだ。


そのかわり、天国のおじいちゃんに手紙を書くおばあちゃんの姿を、小さい頃から良く見ていた。






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