管理人の献上箱

□(旧)日誌E:遅咲きサフィニア
1ページ/21ページ

XX年XX月XX日
真っ赤な月夜。
ねじれた心の花が開く。


普段は新世界に航路を取っている白ひげ海賊団だが、現在、シャボンティ諸島に向け出帆している。
そもそも、ナミュール達魚人の隊員達の要望により、魚人島に上陸して羽を伸ばしていたのだが、オヤジもといエドワードが、
「俺も久々に悪友と酒が飲みたくなったな!ちょっと出かけてくるが、気にせず楽しんでくれ」
などと言い出したものだから、献身的な息子達が愛するオヤジのためとモビーディック号を駆り出し、今に至っている。


ちなみに、共に船に乗り込んだのは、エドワードの側近であるマルコ、ジョズ、サッチ、ビスタに加えて、船の見張りを買ってでたラクヨウ、ブレンハイム、フォッサ。後は観光目的でハルタとクリエル。以上9人の隊長達と船を動かすための隊員数十名で、結構大人数での“お出かけ”となった。


コーティングされたモビーディック号はゆっくり海面に向けて上昇していて、到着するまでの間、皆食堂で軽食をつまみながら気の合う仲間達との雑談を楽しんでいる。(と言っても海王類などに船ごと丸のみにされるのを避けるため船内は強い覇気で満ちている。半端者が乗ったら楽しむどころではないに違いない)
そんな中、ビスタがふと隣のマルコに素朴な疑問を口にした。
「遅いな、オヤジ。新入りと姿を消してそれっきりだ」
マルコは辺りをキョロキョロと見渡し、相づちを打った。
「そうだねい。あの新入り・・・イゾウ、だったな。最初見た時は“遂に娘を連れて来たか!”って思ったけどよい、噂じゃあ結構男意気のある奴らしい。船が違うからよく知らないけどよい、3ヶ月そこそこしか経ってないのに、索具の扱い方を完璧にマスターしたそうだし、人柄も良くてまわりへの気配りも上々。って話だ。オヤジはアイツを隊長にするつもりかもねい。まあ、まだそんな話は聞いてないけどさ」
向かいに座っていたジョズも同意を表すように大きくうなずく。ビスタは口髭に手をやりながらふむ、と呟いた。
「うちには正式な縫帆長がいないからな。キングデューが兼務してるが大工職で手一杯らしいから、丁度いいじゃないか。遂に16番隊という名の索具管理部隊ができるんだな」
感慨深げに話すビスタにマルコがすかさず突っ込みを入れる。
「まだ決まった訳じゃないだろうよい」
「まあ、そうだが・・・気になってきたな。少し探りを入れて来るよ」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ