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□日誌F:プラネタリウム(ハート)
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XX年XX月XX日
記録待ち、氷の世界。暗く冷たい静寂。
幻想の空・・・プラネタリウム。


「回路D切断」
「回路D切断、完了」
モニター室にキャスケットとペンギンの声が静かに響く。
ハートの海賊団は氷山で構成された島で記録が溜まるのを待っているところなのだが、かつてないほど深刻な問題が発生していた。

それは、この島一帯が氷で覆われていて海面に浮上出来ない上に、記録が溜まるのに1週間かかるという事だ。

彼らの船は潜水艦で、帆船として海上を帆走しながら蓄電する造りになっており、通常は島から島への移動の時に蓄電しているのだが、前の島で海軍に包囲され執拗に追いかけ回されたため、深海航路を進まざるを得なくなり、思うように蓄電出来なかったのだ。
海面に出られなくては蓄電も出来ず、停泊して3日目に、残り4日を深海で過ごすには蓄電量が足りない事が明白になったため、ローは副船長のキャスケットと航海士を務めているペンギンに意見を求めた。
キャスケットによれば、船員を食堂に集結させ(寝食が可能で便所も併設されているからというのが主な理由だ)モニター室と食堂以外の動力をオフにして省電すれば残り3日を持たせられる。ということで、動力をカットして窮地をしのぐ作戦が取り決まり、現在に至っている。



「船長、C〜E回路、F、H回路切断完了しました」
キャスケットからの報告を受け、ローは小さくうなずいた。
「よし、お前はペンギンと食堂で待機しろ。モニター室は俺とべポが見る。軽い軟禁状態で皆ストレスが溜まるだろうな・・・悪いが皆の世話は頼んだぞ、キャスケット・・・」
静かに笑顔を浮かべたローに、キャスケットは自信に満ちた笑顔で返した。
「アイアイ、サー」
隣のペンギンも人懐っこい笑顔で、
「4日分の食料、ここに置いときますから、船長!後はよろしく頼んます!」
と元気よく敬礼した。
そして、ペンギンが袋を置いた瞬間、今までだんまりを決め込んでいたベポが走り寄って来て叫んだ。
「ペンギン〜ちょっと少なくない?もう少し肉増やしてよ〜」
ローに愛想良く笑顔を振りまいていたペンギンは途端に不満げな顔になり、毒を吐いた。
「うるせえな!お前は食い過ぎなんだよ!船長の分まで食うなよ!そんなけ脂肪着込んでりゃ、3日4日食わなくたって余裕だろ?お前が船長の分まで食うから船長の体重が中々増えねえんだ!」
「・・・すいません。でも・・・俺の身体は全部筋肉だぞ!」
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