♪いろいろ企画箱♪
□ハグ8:クリエルとフォッサでハグハグVV(じょず師匠)
1ページ/1ページ
屈強な男達が二人、廊下を歩く。一度姿を見れば震え上がるであろう風貌は、まさに最強と呼ばれる『白ひげ海賊団』の隊長と呼ばれるだけはある。
「で、クリエルよぉ…あの酒は手に入りそうか?」
屈強な男の一人、葉巻をくわえた男、フォッサが質問をする。
「…近いうちにな。それより、この新作バズーカなんだが…」
もう一人の男、クリエルは熱心に説明をするが、フォッサは葉巻を吹かしながら上の空で聞いている。
「…で、次に連射機能についてだが…」
「あー」
「お、蜘蛛だ…」
「あぁああ!?」
フォッサは耳をつんざくような大声を出し、慌ててクリエルに飛び付く。
「フォ…どぁっ!?」
突然の出来事に体勢を崩し、二人揃って尻餅をついてしまう。
「な、何やってんだよ…」
「な、何でもねぇ…試しただけだ…」
何事もなかったかのように立ち上がり、クリエルの顔を見ずに答えるフォッサ。その瞬間に、クリエルの頭に一つの仮説が浮かぶ。
「なあ…くも…」
「なっ!?まだいるのかよ!!」
「…ってるな。太陽が見えない…」
クリエルの視線は外を向いているが、明らかに全てを理解して投げかけた言葉である。
「…クリエル…てめぇ…」
「あ、でかい蜘蛛…」
「ひぎゃああぁああ!!」
全速力で逃げて行くフォッサ。その後ろ姿を見てクリエルは後ろめたさを感じていた。
「…ありゃ…マジだったか」
「そうだねー」
「うおっ!?ブ、ブラメンコ…いつの間に!?」
「いやー、いいシーンが撮れたよー。ありがとうねー」
質問には答えず、陽気に去っていくブラメンコ。
「蜘蛛よりブラメンコが怖いぜ、フォッサ…」
クリエルは静かに呟いた。
<END>