♪いろいろ企画箱♪
□ハグ10:「HOW TO HUG」(じょず師匠)
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「ビスタ!!」
「んっ…?」
ビスタが振り返る間もなくエースが全速力で走ってくる。
近くの島に調査という名目で観光に出ていたエース。怪しげな本を手に抱えていた。
「た・だ・い・ま」
身軽な動作でビスタに抱き着いてみせる。突然の出来事に流石に動揺するかと思いきや、余裕の笑みでエースを見つめる。
「ふふ…どうした?」
「ん、いや…こんな本を見つけたんだ!」
ビスタの目の前に掲げられたのは『How to hug』という本である。いかにも胡散臭い本だという事は表紙に描かれた抱き合う異国の人間から容易に想像が出来る。
「円滑なコミュニケーションを計るための本なんだって!どうかな?」
「本を読む事は良い事だ。そこから学ぶ事もあるだろう…」
「だよな!」
エースは大事そうに抱えるとビスタに背を向けて走り出す。その後ろ姿をビスタは見守り、そして、呟く。
「面白い事になりそうだ…」
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