♪いろいろ企画箱♪

□(旧)マルコ祭1:cappuccino
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XX年XX月XX日
心は逆巻く波模様。全て溶かすは・・・


日頃、食堂では常に料理長の賑やかな声が響き渡っているのだが、今日はその声の主が不在だからか食堂は幾分静かに感じられる。
エースが変わらずがっついては突如爆睡するのを繰り返すなか、隣のマルコは不満げな顔で黙々と食事を口に運んでいて、向かいに座っているジョズとビスタはそんな様子を互いに目配せしながら眺めていた。

なぜマルコが不機嫌なのか。それは不在の“料理長”ことサッチに対して腹を立てているからに他ならない。サッチが仕事場にいないのは、買い出しに行っているからではなく、宣戦布告してきた海賊船へ我先に飛び込んで行って怪我を負ったからで、マルコはその事に対して腹を立てているのだ。見かねたビスタがなだめるべく口を開いた。
「マルコ、腹立たしく思うのも分かるが、今は忘れて料理を味わったらどうだ?コック達がせっかく腕によりをかけて作ったんだから・・・」
ビスタの言葉にマルコの手がピタリと止まった。ビスタを見たマルコの目には明らかに怒りの色が浮かび、殺気だったオーラまで放っていて、隣でいびきをかいていたエースは、野性の勘とでもいうのか、危険を感知し瞬時に飛び起きた。
キョロキョロしているエースを横目で少し見て、マルコはずっと閉じっぱなしだった口をようやく開いた。
「・・・悪い、飯が不味くなっちまったねい?でも・・・どうしたって腹が立つんだよい!アイツは料理長だぞ。戦闘員じゃねえのに、しゃしゃり出て行った挙げ句、怪我して本来の仕事が出来なくなるなんて、俺からすりゃあり得ねえよい、そんな事!」
ものすごい剣幕に、エースは目をパチクリさせ、ジョズは軽く溜め息をついた。ビスタはふむ、と呟きながら口髭に手をやり、しばし考えるようにマルコに思慮深い眼差しを向けた。
マルコの言い分が間違っている訳ではない。むしろ正論だ。白ひげ海賊団は大所帯であり、だからこそしっかり役割分担されている。戦闘員は正に小国の兵士のごとく頭数が揃っているため、理由が無い限り小競り合いレベルの戦闘で他の仕事を担当している船員が首を突っ込む事はないのだ。しかしサッチは、そんなものは“ガイドライン”だと思っているのか、すぐに戦場に出ていきたがっては、ナース達に良いところを見せるのだとか言う。隊員達は口出ししたりしないし、むしろ盛り上がる位だが、生真面目なマルコはサッチのやりたい放題なところが気に入らなくて、事あるごとに喧嘩になる。
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