管理人の宝箱

□財宝6:舞姫
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白ひげ海賊団は、とある無人島に停泊していた。水の補給のため立ち寄ったのだが、特に先を急いでいないため長らくとどまっている。
長く旅をしてきた白ひげ海賊団は初めてこの島に来たわけではなく、水の場所も食料が調達できる所も熟知しているため、なおさらのんびりしているのだ。
久々に陸に上がって、隊員達はハイテンションでバカンスをエンジョイしている。女がいればもっと最高であったのだが、ここは無人島・・・そこは我慢するしかない。

隊員だけでなく、隊長達も思い思いにバカンスをエンジョイしている。

ビスタは、お気に入りのパラソルとサマーベットを引っ張り出して来てくつろいでいた。他の隊長達はというと、
ナミュールは泳ぎが得意であるため、海に潜ったまま中々上がって来ないし、エースとハルタは木の実をボールがわりに全力でビーチバレーをしているようだ。ラクヨウとフォッサは浜辺で海を眺め、うだうだ言いつつラムをあおっている。
他の隊長達の姿は見えないので、恐らく森にいるのだろう。
ビスタは緩やかな時が過ぎて行く事に満足の笑みを浮かべ、愛読書に目を落とす。しばらくすると、頭の上で声がした。
イゾウだ。

「よぅ、ビスタ!相変わらずだな。隣りいいかな?」
「おぉ、イゾウか・・・どうぞ。歓迎するよ」
ビスタは隣りにもう一脚出しておいた、サマーベットを勧める。

「ありがとう。久々の休暇だな。ありがたい」
イゾウはゆっくりベットに腰掛けると嬉しそうに言った。
「そうだな。しかも気温もほどほど、空は快晴!最高だな」
「あぁ」
イゾウは気持ち良さそうに目を閉じたまま、返事をする。

ビスタは、イゾウが目を閉じたままなので、眠たいのかと思い、声をかけるのはやめて再び読書を始めた。
しばらくすると、規則正しい寝息が聞こえてきた。やはり眠かったのか・・・ビスタは綺麗な寝顔をちらりと見て少し笑い、本に視線を戻した。

数十分後・・・

「おぉ!いつの間にか寝てた!!」
イゾウが、唐突に飛び起きる。

「おや、目が覚めたか。お疲れのようだな。可愛い寝顔をもう少し眺めていたかったがな」

「よせよ恥ずかしい!!それに、お前の事だ!俺じゃなくて本ばっか見てたんだろ?」

「フフッ・・・まあな。そうだ、サッチがここで採った果物で作ったジュースを持って来てくれたから飲むといい」

ビスタはそう言ってパラソルを刺している台に乗せたジュースを指差す。イゾウはお礼を述べつつ横着をして、サマーベットに長くなりつつジュースに手を伸ばした。バランスを崩して砂浜に落っこちる。
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