白ひげ一家航海日誌(めいん)

□(旧)日誌1:エース就任(朝)
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日誌1:エース就任

xx年xx月xx日。天候風向き共に、良好。

俺が白ひげ海賊団の船に乗り数ヶ月が過ぎた。1、2ヶ月位の間は白ひげの首を取ろうと必死だったのだが、そんな力は無く・・・。いや、本当のところは逝き急ぎたかったのかもしれないが、白ひげもまわりの船員もそれを許してはくれず、マルコの後押しもあって、「息子」になると腹をくくった。

それからは、今までの敵対心丸出しだった行動を挽回すべく、敵が現れたらなりふり構わず、当番だろうがなかろうがいち早く潰しに赴き、まわりの船員ともうまくやっていくよう努めた。まあ、能力者であることも決め手の一つなのだろうが、必死のフォローの甲斐あって、先日隊長になるようにとの勧めを受けた。
サッチ曰く、2番隊隊長はオヤジの側近のようなもので、モビーディックを守る主要なポストでもあるため、今まで適任がおらず空席だったらしい。(ティーチに話がいく事もあるらしいがその都度辞退しているようだ)

オヤジの敵だったロジャーの息子だ。隊長になる資格などない。話を受けた夜、オヤジにそう打ち明けた。だが、オヤジは驚くまでもなくそんな俺をあっさり受け入れてくれた。そして、隊長になれとも言ってくれた。居場所が見つかったような気がした。

今日の朝、俺の隊長就任式兼隊長会議がある。夜は大々的に俺のための宴会があるそうだ。
この船の船員として働くようになって気づいた事がある。首取りに必死になっている時はあまり気にもしていなかったことだが、ここの海賊達は大所帯の割にきちんと統括されているということだ。
海軍のようとまではいかないが、4隻の船に16人の隊長がいて、それぞれ船を切り盛りしている。電電虫で連絡をとりながら動いているが、遠出してもきちんと合流するし、足りないものが出れば各船が助け合って問題なく航海を続けている。また、月に一度、隊長会議があり、議案をまとめたり帳簿をつけたりしているというのだから驚いた。海賊にも色々あるものだ。

それだけではない。隊長というのだから偉ぶっているかといえばそんなこともなく、皆同じ部屋で寝食を共にしているのだ。これはきっと、オヤジの「息子達」をひいきしないための策なのだろう。一応隊長室はあるがそこも共同の仕事場だった。おかげさまでこちらとしては変に気を張らなくて助かる。

そんな事をぼんやり考えながら、会議室に足を向けた。
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