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□(旧)日誌B:剣士と不死鳥
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ジョズは自分より強い人間にしか従わないと決闘を申し込んできたので、エドワードは仕方なく力で説き伏せたのだ。



余談が長くなってしまったが、そんな訳で白ひげ海賊団は更に家族になる人間を探しながら、各島を巡っている。


出会いは突然、妙な形で訪れるものだ。
3人目の長男が見つかったのは、規律正しく統治されていた国で、美しい装飾が施された大きい家が立ち並んでいた。
ゴロツキなど生息していなさそうな空気で、海賊行為を働こうものなら護衛隊がすっ飛んできて包囲されそうな感じだ。
エドワードは民間人に被害を与えるつもりはなく、(立ち向かって来られれば話は別だが)居心地のあまりよくない所からはさっさと出ていこうと買い物などの用件を済ませて出航準備を進めていた。
その矢先、事件は起こった。
船で出航準備に携わっていたエドワードの元に息を切らしながら息子の一人が駆け込んで来たのだ。
彼は途切れ途切れに事態を話した。エドワードは横にいたマルコと顔を見合せ、言葉を口にする前に問題の起こっている場所へと駆け出した。


事件という程、大層な事ではない。
ただ単に、馬鹿息子が民間人に手を出して暴力沙汰を起こし、そこの間に入ってきた男に派手にやられているから助けて欲しい、というありふれた話だ。
一応「白ひげの仲間に手を出す奴は容赦しない!」というスローガンを掲げて暴れまわっているが、今回の場合なんとなくこちらに非があるんじゃなかろうかという思いがエドワードにはあり、マルコも同じように考えているのか呆れ顔で走っていた。

騒ぎは割と船の近くで起こっていた。エドワードの目に最初に飛び込んで来たのは、あちこちから血を流して倒れている息子達だった。
その先には、剣を両手に構えた青年が立っていた。後ろには駆け付けてきたのであろう護衛隊の姿があった。
エドワードはゆっくり倒れている息子達の元に歩みより、声をかけた。
「とんだ馬鹿息子達だぜ、全く!これに懲りたんならむやみやたらに民間人に手ぇ出すんじゃねぇ!」
オヤジの一言に皆、「すまねぇオヤジ」と、反省の声をあげた。それに満足し、うむ。と呟いてから、剣を構えたままの青年に改めて目を向けた。

歳はマルコやジョズより少し上だろうか。
その風貌からして身分の高い貴族だろう。自分より倍以上の大男を前にしても物怖じする事なく、青年は胸を張り、堂々とした口調でエドワードに声を張り上げた。
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