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□目を見て気付いた
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「ねぇ・・・先生。」


少し前を歩くナルトとサイに目を向けたまま
サクラは隣を歩くカカシに話しかけた。
カカシも愛読書から目を離さず、ん?と返した。


「やっぱり先生ってすごいわよね。ヤマト隊長の木遁の術もすごいって思ったけど、
先生の術のセンスっていうか・・印を結ぶ速さとか・・・
とにかく!久々に一緒に任務こなしたら先生のコト見直しちゃったわ。」


少し照れながら話すサクラを見てカカシは思わず笑ってしまった。

「ハハ・・そりゃ、どーも。
てっきりサクラにはもうただのダメおっさん扱いされてるかと思ってたよ」

頭を掻きながらそう言うと、サクラは首を傾げた。

「そぉなのよね〜。
いつも何にも思わないのに、なんだか今日はヤケに先生に目がいっちゃったのよね・・・
私、ヘンかな?」

ジッとカカシを見つめながら最後の方は呟くようにサクラが言った。
カカシは久しぶりに
サクラの綺麗な新緑の瞳をきちんと見た気がした。

その中に映る自分のシルエットまで見えるようだった。



カカシは怪我や単独任務が重なり
7班の面々と一緒に任務をするのは久しぶりだった。
入院してた時なんかはサクラが見舞いに来るとヤマトの話を沢山聞かされ何故だかイライラした。
その感情がヤマトと忍として比べられた事が嫌だったのか、
サクラがヤマトを褒めるからなのか
何なのか気になって
次に7班の任務をするときは
元・生徒達が見直すくらいに頑張ってみようと心に決めていたのだ。



それがサクラの目を見た瞬間、気付いてしまった。


(まいったね、どーも・・・。本気になっちゃいそうだよ、オレ)


自分の気持ちが分かったら、なんだかサクラに触れたくなった。
ポンポンッとサクラの頭を撫でると
びっくりした様な顔で見つめられた。

「まぁ今日はせっかくホメてもらったし、
サクラに餡蜜の一杯でもご馳走しようかな。」

するとサクラは

「私だけ?」

と小さく聞いた。

「そう。お前だけだよ」

まるで誓いを立てるように
サクラの手を取ってカカシは言った。

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