黒子と美琴

□J私だけに…
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美琴(なんだろう…この気持ち……)
トクン…トクン…トクン…

手に伝わる鼓動の早さはいつも通りだ…

でも何故か、異様に早い様な…強い様な感じがする…

クラスメイトの黒子に対する
「髪型、可愛くてお似合いです」

という言葉を聞いた直後から、自分の胸の奥底に違和感を感じた…

美琴(考えてもしょうがないか…)

と美琴も教室にむかった…


一時限目が終わった休み時間、
どうしても落ち着かなかった美琴は、
黒子の教室へ向かった…

黒子の教室近づくと

教室の中から何やら楽しげな声が聞こえてきた…

教室の前に着いた時
それらの声が、
黒子を取り囲んでいたクラスメイト達の声だと解った…


「最初ビックリしましたが、とても似合いますよ♪」
『本当、最初誰だか解りませんでしたわ
なんだか初めて見たような気がします!』
「いつもの髪型も、白井さんらしくて良いですが、
その髪型もとても素敵ですよ♪」

美琴(…あ…なんか楽しそうだし…邪魔しちゃ悪いかな…)
トクン…トクン…トクン

美琴(…っ!?…なん…だろ…この気持ち)
ドクン…ドクン…

黒子がクラスメイトに囲まれて、
髪型が大好評な様子をみて、
美琴は鼓動が更に激しくなった様に感じた…

美琴(もう…いいや
とにかく…早く…帰ろう…なんかドンドン………強くなってく…?)
ドクンドクンドクン

「あ、御坂様♪」

美琴(…っ!?)

生徒の誰かが、教室の入り口にいる美琴に気付き、
歓喜の声をあげた…

見つかった…ヤバい…早く帰らなきゃ…
っと思った時には
既に黒子は周囲のクラスメイトを押し分けて、

『お姉様〜♪』

と満面の笑みで飛び付いてきた…

――ダキッ♪

『……』「……」
「……」『…?』

周囲の大半が、何故美琴が今日は、
抱き付く白井に制裁を下さないのか疑問に思ってる中、

突っ立ったまま、
黒子に抱きつかれた美琴は、鼓動が落ち着いていくのを感じた…

美琴(…黒子…)
トクン…トクン…

何故だか急に、
もっと黒子に触れたくなって、
抱き締め返しそうになった時、
少し離れた所から聞こえた声に、
急に我に返って黒子を突き飛ばした…

『御坂様♪っと……白井……さん…?』

美琴「…っ!?…あ…バカ!!離れなさい!!」

――ドンッ

黒子「ぁうっ!!?!」


そのいつもの光景
を見て、周囲はなんだかホッとした…

黒子の風貌の変化に
美琴まで一瞬戸惑ってしまったのか!?と思った人間もいた…

よく考えてみれば、
ルームメートなんだからそんな訳は無いのだが…

『御坂様…ご機嫌麗しゅう♪』

美琴「こんにち…いや、お、おはよ♪」

焦って返事したが、内心感謝していた…
こんな人が多い…
しかも、
黒子と自分の、いつものやり取りを
よく知ってる人ばかりの場所で、
うっかり黒子を抱き締め返したら、
付き合っている事がバレてしまうかもしれない…

ヨロヨロと起き上がる黒子を見ながら、
その生徒は語る…
『最初誰だかわかりませんでしたわ…』

黒子『朝から皆さんに言われてますの』

もうその話はウンザリ…という様に黒子は返す…。

どうやら、違うクラスの黒子の友人らしい…

『そうでしょうね〜
白井さんが髪をおろしてる所なんて、
見た事ありませんでしたから♪』


美琴(…ッ!!!!??!)
ドックン!ドックン!ドックン!

その言葉を聞いた瞬間、美琴は一際大きく鼓動が鳴った様に感じた…

黒子『…お姉様!?』

「御坂様?」
―ザワザワ

いきなり胸を
押さえて、ギュッと固く目をつむった美琴に、周囲は焦った…

「御坂様どうされました…!?」
『お身体の具合でも悪いのですか…?』

黒子『お姉様…』

オロオロと見守る生徒と、
駆け寄って背中を擦る黒子に、

美琴「ごめん、大丈夫…だから!心配しないで♪」
と笑顔で返した後、

美琴「ごめん黒子…ちょっと…外にテレポートできる?」

黒子『え…?』

美琴「…外…テレポート…」

黒子『あ、はい!』

――ヒュンッ…

というやり取りをして、黒子と美琴は人だかりから離れた…

皆美琴が心配だったが、黒子がついていれば大丈夫だろう…
という気持ちもあった…

本人達は、本気でアプローチと拒否をしているのかもしれないが、
何だかんだ言いつつ
結局いつも一緒に居るので、
周囲から見ればそれも、ただジャレあってる様にしか見えないのだ…

何にせよ、

黒子=ツインテール

と同じ位に

黒子=御坂美琴

は定着していた…



黒子は美琴を連れて
一旦正門付近に出たが、美琴に

「もっと人が居ないとこ…人から見えない所!!」

と言われて一度上空にあがり、
美琴の言う条件を満たす場所を探した…
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