黒子と美琴

□Kとある少女の日常風景
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美琴「…にしても」

と美琴は話題を変える…
意識してしまうと、
なんだか手が寂しい

美琴「あんた今朝はなんだかご機嫌だったじゃない?
なんか楽しみな事でもあんの?」

黒子『別に楽しみなんてないですわ?
お姉様に起こされたのが、嬉しかったですの♪』

黒子は、手を繋げない事に悲しんだが、
そうだ今朝は良い事があったんだ♪
と思い返して笑顔になった…

美琴「……私の寝顔見れなかったって…
ショック受けてたじゃん……?」


言いながらなんだか恥ずかしくなって…
少しトーンをさげた

これじゃまるで自分の寝顔を見て欲しい様に聞こえてしまう


黒子『もちろん、お姉様の寝顔が拝見できなかったのはショックですが…
お姉様のお声で目覚めるのも
良いですわね♪』


黒子は朝の事を思い出したのか、
ウットリとした表情で語っていたが、
一瞬『ん?』と考え込んで美琴に尋ねた


黒子『お姉様は…黒子が寝てる間、何してましたの?』

美琴「え゙っ!?」


いつも美琴より早く起きる黒子は、
美琴が寝てる間する事は決まっていた…

しかしその美琴が、
先に起きていたなら

一体何をしていたのかな…
暇をもてあまさせてしまったのでは?

と素朴な疑問がうかんだのだ…

美琴「………///
…べ、別に…何も。
私も…今日は…遅めに起きたから…
起きてすぐ…あんた起こしたし……
何も…してない…」


まさか、
黒子の可愛い寝顔を眺めつつ、
昨夜の行動を思い返して一人でニヤけ、
あげく、口付けてから起こした…

なんて言えるハズも
無かった…

何故かしどろもどろに答える美琴に
いささか疑問を感じつつ、

暇をもて余させてないかったと解り、
黒子は安心したように言う

黒子『なら良かったですわ♪
お姉様をお暇にさせてしまったなら、
申し訳無いと思いまして♪』

美琴「…う、うん。
…大丈夫…///」


お暇だなんてとんでもない…

むしろ、今日1日分の感情を、
使い果たしてしまった気分だ…

でも、隣に笑顔の黒子がいると思うと、
どんどん愛しさやら
嬉しさやら、幸福感が募っていく…

当然鼓動も早くなる

出会って約半年…

付き合い始めて、
そろそろ4ヶ月もたつというのに、

隣でニコニコとしている
恋人の事を考えると

胸がドキドキしてしまうのは

一向に落ち着く気配は無い…


それどころか、
幸せな日々を重ねるにつれ

より一層、強まった気もする…


美琴(…全く心臓に悪いったら…
黒子といたら、
私早死にするんじゃない?)

なんて自分で自分を茶化してみるが、

黒子への気持ちは治まろうハズも無い…

何より、結局…

黒子への想いが
募っていくのが嬉しいのだ…


美琴「…全く…。
バカ黒子…///」

なんて
口を尖らせながら呟いてみるものの、

結局は美琴から、
黒子の手に、自分の手を重ねる…

黒子『お姉様…///』

と、
顔を赤らめながら、

――ギュッ…

と美琴の手を繋ぐ…

美琴「……///」

恥ずかしさに顔を背けてる美琴には、
黒子の顔は見えないが、

ニコニコと
嬉しそうな顔をしてるのが解る…

二人は赤らめた顔を背けながら、
無言で歩く…


無言でも、
強く繋いだ手から、
相手の気持ちが伝わってくる…


貴女が大好きだ…

と。

……
……
……

美琴「…あ…時間」

ふいに美琴が呟く…

黒子が、美琴の視線の先にある、
街中の大きな時計をみると、

予想以上に時間がたっていた。

どうやらお互い、
相手を愛しく想う気持ちでいっぱいで、

自然と歩調が遅くなってしまった様だ…

あと数分で始業ベルがなる。


黒子『テ…テレポートっ…!!』


予想外の展開に、
黒子は焦りながら能力を使う。


美琴は黒子の演算を邪魔しないよう、
ただ黙って手を繋いでいた…


――ヒュンッ…


美琴「わわっ!!?」


連続で空中をとんでいた二人は、
学校の玄関前に着地する…

急に足が地面に着いて、
思わず美琴はよろけてしまった…

黒子『…お姉様!?』

美琴がよろめいたので、
黒子は慌てて、
手を引っぱる

と、同時に美琴も足を前に出し、
地面を踏み込む…

美琴「…っ!!!?」

お陰で転ぶ事は防げたが、
美琴は何か、
他の事に驚いた様にハッとして、
黒子をみつめた…

黒子『???』

何か聞きたげに、黒子をみつめる美琴…

美琴「…もしかして……?」

と美琴が呟いた時、

二人の後ろを、
他の生徒が凄い勢いで駆けて行ったので

二人はハッとして、

「ヤバッ!!また昼ね黒子!」

『はいっ!!』

とままならぬ挨拶を交わし、

それぞれの教室に駆けて行った…
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