黒子と美琴A

□solitary war…
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※前書き※
救いようのないギャグ話です。
設定とか色々グダグダです。
何故ボツ作品集にしておかなかった!という問題作です。









『ただい…ま…ですの…』

「おかえ、…今日はまた随分と疲弊してるわね。」

『…えぇ。まぁ…ですが…。もうすぐ落ち着きます…わ…』

たどたどしく語りながら、ベッドにボフッと倒れ込む黒子。


「夕飯は?」

『…いりま…せん…の…』

「シャワーは?」

『起き…たら…』

「ちゃんと着替えなさいよ?」

『…は………ぃ…』

「……くろこ〜?」

『…………』

「………ったく。」

ベッドから立ち上がり、早くも寝息をたて始めた黒子へと歩み寄る。

「こんな憔悴するまで…一体今度はどんな事件を追ってんのよ…」

呟いてみても、返事はない。
ここ数日、本当に忙しそうだ。

疲れきってる後輩を見かねて、何か協力できないかと支部に立ち寄れば…

『お姉様、心配して頂けるのは嬉しいですが…。黒子としては、お姉様に大人しくしていただいてる方が楽ですの。』


等と。
ちょっと棘のある言い方で追い返されてしまったから、それ以上は何も聞かなかったし、聞けなかった。

という訳で、今回は私はコイツに何もしてやれてないのだけれど。

「私の身にもなってみなさいっての。」

こう、毎日毎日疲弊して帰ってこられると。
こちらとしても気が重いし、色々気を遣う。

帰ってスグにベッドに倒れ込む後輩に、着替えを促したり。
夕食さえも摂らず寝る後輩の為に、万が一夜中に起きても食べれる用に、とパンやら何やらを用意しておいたり。

とにかく、色々大変なのだ。
私としては、協力して一緒に走り回ったりしてた方が気が楽かもしれない。

まぁ。
私としては。
だから、無理矢理協力する訳にはいかないんだけど…

「日に日に酷くなってるわよね…」

上掛け布団を掛けてやりながら、熟睡している後輩を眺める。

ここ最近はいつも、帰宅してスグにベッドに倒れ込む…
というのは変わりないのだが…。

日が経つにつれ、確実に疲労が増してるのが解る。


最初は、ベッドに倒れ込んでも夕食時にはノロノロと起き上がり、食堂へ行っていた。

部屋に戻ってシャワーを浴びて、朝まで爆睡。

しばらくして、夕食を摂らなくなった。
帰宅してスグにシャワーを浴びて、ベッドに倒れ込んで朝まで爆睡。

綺麗好きでお年頃の黒子には、食事よりも身だしなみが大切な様だ。

当然身体には良くないので、昼食時には嫌がる黒子に無理矢理食事を摂らせる。
栄養バランスを考え、黒子の好き嫌いなどお構い無しに、許容量ギリギリまで口に突っ込む。

『も、もう入りませんの!』

と、テーブルに置かれた料理を涙目で眺めるも…

「いいから食べなさいよ!」

と、私が口の前まで運んでやると。

『…もう本当に無理ですの…』

等と言いながらも、若干頬を染めて、どこか嬉しそうに口を開ける。

こっちはさながら、聞き分けの悪い子供を世話する保護者の様で、大変だというのに。
一体何が嬉しいんだか…

全く。
本当に私の身にもなって欲しい!


それから更に数日後。
とうとうシャワーも浴びなくなった。
朝、登校する前にシャワーを浴びる為、目覚ましを早くかける。

だから結局、睡眠時間は変わらないのだけど…
とにかく、帰宅してスグに眠りたいらしい。


よって。
今までは黒子がシャワー中に用意していた着替えを、ここ数日は帰宅前に用意してやる。
帰宅した黒子はノロノロと着替え、髪をほどき、フラフラとベッドに倒れ込む。


と、この様に。段々と悪化している状態なのだが…

「さて、どうしようかしら。」

着替えもせずに寝てしまったのは、今日が始めてだ。

制服は、寝間着ではない。寝間着に適していない。
伸縮性に欠けるし、通気性も悪い。
寝返りをうつ度に、所々窮屈になる。

首とか、肩とか。

寝間着は、黒子の机にある。
帰って来てスグに用意しておいた。

「着替えさせるか…でもなぁ。」

起こしてしまうかもしれない。

「う〜ん……ん?」

悩んでいると、廊下から寮監の声が聞こえた。
時計を見ると、そろそろ夕食の時間だ。
もう少ししたら、この部屋にも来るだろう。

遠慮無しにドアを開けるから困る。
黒子が起きちゃったらどうすんのよ、全く。

「とりあえず、」

と、ブラウスの第一ボタンだけ外してやる。
少しは楽だろう。

さて、寮監がドアを開ける前に。いつも通り自分から行くとしますかね。

「お休み黒子。」




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