リハビリ

□佐天のなんでも診断所!
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『ファーストフードって、性格出ますよね〜☆』


今日は趣向を変えて、いつものファミレスじゃなくて。
四人でファーストフードを食べに来た。

それぞれ、好みのハンバーガーセットを頼んで、もう食事は終盤…というところで。

すっかり薄くなってしまったオレンジジュースを飲みながら、さも自信ありげに佐天が言う。

「ファーストフードで性格…ですか?」

『…佐天さん。また何か思いつきで喋ってません?』

呆れた様な、疑う様な目を向ける初春と黒子とは対象的に。

「へぇ〜?なになに?なんで解るの?」

と、興味ありげな美琴。

『オホン、…コレです!コレで性格が解ります!』

その美琴の反応に気を良くしたのか…わざとらしく咳払いをしてから、自信満々に指を指したのは。


「ハンバーガーの…」
『包み紙…ですの?』

もう既に、食べきったハンバーガーがくるまれていた包み紙。

「え?これで性格が解るの?」

今度は三人とも、揃って首を傾げた。


『ええ!バッチリ解りますよ〜☆
例えば!』

初春と黒子は、ヤレヤレといった感じで佐天の指先へ視線を向ける。
そこには、クシャッと丸められたハンバーガーの包み紙。


『アタシは、おおざっぱ☆』


テヘッ、と可愛らしく笑って、そう告げる佐天。

「なるほど、包み紙の処理の仕方…って事ですね!」

『ん、まぁ…そんな所かな?』

『そんなの気分によって変わりそうな気がしますが?』

『いやいや♪無意識にやることって案外、内面が出るんですよ〜☆
アタシに比べてほらっ♪初春のはキチンとたたまれてるし♪』

佐天が指差したのは、初春の処理した包み紙。

キッチリと端と端を重ねて折ってあり、大きさはポケットティッシュ位だ。

『あら?その考え方でいくと、初春は真面目で几帳面…みたいになってしまいますわよ?』

クスクスと笑いながら白井が言う。

「私は真面目で几帳面ですぅ!…そういう白井さんは、って…あれ?包み紙はどこですか?」


膨れっ面した初春が、白井にもなにか仕返しの言葉を…と思い、黒子の包み紙を探すも。
どこにも見当たらない。

黒子も確かにハンバーガーを食べてたハズだが。
肝心の包み紙が無い。

きょとんとしている初春に、黒子はふぅ、と小さくため息をついて。

『ここですわよ初春。』

「うわッ…、…白井さんいつの間に!?」

指差した先は、ポテトが入っていたボックスの中。
それも、初春の畳んだ包み紙の四分の一程の大きさ。

更には、トレーの上に敷いてあった紙まで丁寧に畳んで、一緒にまとめられている。


白井が何か大きな動きをした印象は無かった。
つまり、いつの間にか。自然な流れで、白井のトレーの上だけは整頓されていたのだ。


驚くと同時に、綺麗すぎるトレーに、どこか呆れたりもした。

こんなの、ファーストフードっぽさが無い、と。


『こうして、燃えるものは燃えるもの同士でまとめておくと、捨てる時に散らかさなくてすみますの。
レディーのたしなみでしてよ、初春?』


唖然としてる初春を、わざとらしく挑発する白井。

「むむぅ…」

返す言葉が見つからないのか、初春は悔しそうに唇を尖らせた。

そんな初春ににこやかに笑いかけながら、佐天は言う。


『ね?当たってるでしょ♪
白井さんは、これでもか!…ってくらい、極端な所が☆』

『…佐天さん、褒め言葉として受け取っていいんですわよね?』

『アハハハ〜、で、御坂さんは…!!』

白井にジト目を向けられても、軽い笑いで受け流し。

ビシッ、という効果音がピッタリの勢いで指差したのは、

包み紙ではなく、御坂美琴本人。


「ッ、ぇう!?」

突然指差された御坂は、ビクッと肩を跳ねさせて。
その弾みで、ポロッと手のひらから落ちたのは、綺麗に畳まれた包み紙。


しかし佐天は、その紙を見ながらニヤニヤと笑って。


『知ってますよ〜?御坂さん♪』

「な、なんの事かしら佐天さん!?」

何故か上ずった声をあげる御坂に、いたずらっ子の様な表情のまま。

『御坂さんは、ちゃんと包み紙畳んでましたけどぉ〜。
初春みたいにキッチリじゃなくて。軽く端を合わせただけでしたよね〜?
“さっきまで”は♪』
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