黒子と美琴

□@不思議な気持ち
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初春『・・・あのぅ、御坂・・さん?』

御坂「・・・」

佐天「み、御坂さぁ〜ん?」

御坂「・・・」

―――いつものファミレス

いつも通りに初春、佐天は隣り合わせに座り、
向かいの席で一人、窓の外を眺めてる御坂に話しかける・・・

反応はない・・・

――いつも通りの授業を終え、
いつも通りに待ち合わせをし、
いつも通りのファミレスに居る・・・

だが一つだけいつもと違う・・・

御坂美琴を「お姉様」と呼び慕い、
彼女に変態行為とも呼べる熱烈なスキンシップ(愛情表現)をする、白井黒子の姿が無い。

いつもなら御坂の隣に座っているはずの彼女が今居ないのだ――

佐天「やっぱり、白井さんが居ないと寂しいのかな?」

小声で隣の初春に話しかける。

初春『う〜ん・・・
いつもの変態行為をされなくて済む分、
御坂さんは気楽なのかと思ってましたが・・・
やっぱり同じ部屋で同じ学校で、いつも一緒にいる人が居ないと寂しいんですかね。』

佐天「昨日は呼び掛けに、若干反応してくれたけどね・・・」

初春『だんだん症状が悪化してますね(汗)』
二人の話しに全く気付かず御坂は空を見上げている――

――三日前から御坂は白井黒子と会ってない。

【話しは数日前に遡る】

――風紀委員177支部――

白井『嫌ですのっ!
お姉様と一週間も会えないなんて、わたくしには耐えられませんの!』

遊びに来ていた御坂の腕にしがみつきながら、白井は叫んでいた。

初春「まぁまぁ、たったの一週間じゃないですか(^^;)」

白井『「たったの」一週間ですと?一週間ですのよ!?
一週間もわたくしはお姉様に会えないんですのよ!?
お姉様の無防備な寝顔を眺めることも!
お風呂上がりのお姉様の匂いを嗅ぐことも!お姉様の寝言を聞くことも!
お姉様に触ることも!
一週間もできないんですのよ!?
黒子に死ねと言うんですの!?』

初春「ご、ごめんなさいぃ(汗)」

風紀委員の同僚であり、友人である初春を睨む白井の目は本気だった。

御坂『もとはといえばあんたのせいでしょ!初春さんに八つ当たりすんな!』

―ガッ!
としがみつかれた腕を、強引に振りほどきながら御坂が叱る――

白井『うぅ・・すみませんの・・・ちゃんと・・行ってきます・・の・』

さっきとは一転、
今度は半泣き顔で、絞りだすような声でそう言った。
固法「・・・ようやく納得してくれたのね」

――フゥ・・と溜め息まじりに風紀委員の先輩の固法が呟く

固法「ごめんね白井さん。
私の管理不足のせいね・・・」

白井『いえ!そんな!
固法先輩は悪くありませんの!』アセアセ

――先輩の申し訳なさそうな顔をみて、白井は我に返った。

白井『これはわたくし自身の過ちですの。
・・・普段から先輩や初春には迷惑かけどうしですから、ちゃんと反省してきますわ!』

――ニコリと笑顔をみせる白井。
その様子に皆、穏やかな気持ちになる。

御坂(まったく・・・黒子は本当は真面目で素直なのよね〜。
最初から素直ならかわいいのに。ま、黒子らしいか。)
と内心でクスリと笑いながら、
「頑張んなさいよ!」
っと白井の肩をぽんっと叩いた。

――風紀委員合同強化合宿と称した、
一週間の反省会。
始末書が一定量を超えた風紀委員を集めて、心身共に鍛え直そうという催しに、
普段から独断行動の多い白井はよばれていた――

――後日、
御坂、初春、佐天に見送られながら、
これから自身にふりかかる苦労を思い、
暗い顔で出発した白井だった――

佐天「これから一週間、寂しくなりますね御坂さん?」

笑いかけてくる佐天に、
ついさっきまで白井にしがみつかれていた腕をまわしつつ、御坂は応える。

御坂『ん〜・・・どちらかといえば、一週間、変態行為から離れられるから気が楽なんだけどね!』
とクスクス笑う――

「アハハハ♪確かにそうですね♪」
と初春と佐天も笑う。

『黒子と会わなくて一週間、気が楽』
という御坂の言葉に、初春と佐天は納得していた。

当然、御坂自身も本心で言った・・・


ハズだった・・・


――翌日――

「もし暇だったらこれから食事しない?」
と御坂から二人にメールがきた。

非番だった初春と佐天は快諾し、ファミレスで待ち合わせ、会話を楽しもうとしたが、
誘った当人御坂美琴はどこか上の空。
話しかければ表情は笑っているものの、心ここにあらずという感じだった。

――その翌日も昨日と同じメールが入り、
風紀委員の仕事で初春が来れなかったので、佐天と御坂は二人で食事した。

佐天は御坂に話題をふりつづけたが、ほとんど無言のまま気まずい時間が流れた――

白井が居ない事で御坂の元気が無いのは明らかだった――
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