黒子と美琴

□A意識しちゃうと…
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(今日黒子が帰ってくる!!)

――御坂は目覚ましがなる一時間も前に勝手に目が覚めた。
そして、
起きた早々そんな事を考えたせいで、
寝起きとは思えない速さで鼓動が鳴る。

御坂『………ハァ』ドキドキドキドキ


――黒子の一週間の外泊

――後輩の何気ない一言

――自分が好意を抱いていたと勘違いしていた少年に、
自分の口からでた何気ない…
でも、素直な言葉…気持ち。

そんな経緯で、御坂美琴は気付いてしまった。

一週間ぶりに本日帰宅する白井黒子。

自分が、その白井黒子に好意を抱いていることを。

御坂『全く…なんでこんなに早く起きちゃうかな…。
しかも起きた早々黒子の事考えるなんて…』ドキドキ

『今日………どんな顔して会えばいいのよ…
…今日…帰ってくるんだな……楽しみ…だな』ドキドキ

『早く…………会いたいな…』ドキドキ

(今日黒子にあったら何を話そう。
元気かな。
疲れて帰ってくるんだろうな…。
なんかすごく久々に感じるな…)

――なんて考えてるうちに、目覚ましがなった。

御坂『ふぇ?もう一時間たったの!?ヤ…ヤバッ!!』

――焦って支度する彼女は、鏡の前で自分の顔が真っ赤なのに気付いた。

『私!!本当に顔に出過ぎだろ!』

――パシンと顔を叩いてから学校へ向かう。

黒子が帰ってくるのは夕方。
今日は初春も白井も非番。
三人で出迎えて、四人でご飯を食べて帰ろう。
と約束していた。


夕方までの時間が、
今日の御坂にはとてつもなく長く感じた。

――御坂の黒子へ対する想いは、まだ、誰にも打ち明けていない。
今まで、
黒子の過剰なスキンシップを拒絶し、
変態呼ばわりしていた為、
自分でもなかなか素直に認める事ができなかっので、
周りもおそらくそう思うだろうという理由。

今まで拒絶していたのに、急に手のひらを返した様で、
なかなか素直には言えない。

何より【好きな人】の話など、天の邪鬼な御坂には恥ずかしくて簡単にできる事ではない。

しかも相手はは自分に熱烈ラブコールを送り続けてきた人間だ。

人に話せばどんな羞恥的な質問をされるかわかったもんじゃないのだ。

そんな状況に嘆きつつも、彼女の事を想うと口元が緩むのは、
御坂美琴が今まさに、
恋する乙女

というやつだからであろう…。
――夕方

初春『そろそろですね〜』

佐天「一週間鍛えあげられて、筋肉ムキムキで帰ってきたりして☆」

初春『アハハハ♪……一週間分のうっぷんを、私ではらされたらどうしましょう(--;)』

佐天「それはもう決まってる事だから諦めな初春♪(笑)」

初春『そんなぁ(T_T)

でも…会えるのが楽しみです!
なんだかんだいって、白井さんが居ないと、風紀委員の支部が静かすぎて、先輩達も寂しがってましたから♪』

佐天「本当!早く会いたいね〜☆

………ですよね!?御坂さん♪」

御坂『ん…うん、まぁ…そうだね…///』

――急に話を振られて御坂は焦った。

(…もしかしたら佐天さんは私の気持ちに気付いてるかも…ドキドキ

なにせ私の話を聞いて「恋する乙女みたい」なんて言ったのは、佐天さんなんだもんな…ドキドキ)

初春『御坂さん、結局白井さんに一回も電話しなかったんですよね?』(普段通りに戻ったから良いけど)

御坂「え…あ、うん!疲れて寝てたりしてたら悪いしね!」(恥ずかしくてかけれなかったなんて言えない…)ドキドキ

佐天「え!?結局電話一回もしてないんですか?」

佐天「……よく耐えましたね」ボソッ

御坂(うっ!?!?)

――御坂にしか聞こえない声で佐天は囁いた。

御坂(やっぱりバレてるんだ…恥ずかしい……って!佐天さんにバレてるなら初春さんにもバレてる!?)ドキドキ

―チラリと初春を見る。
それに気付いた佐天は
(大丈夫ですよ☆)と目で合図した。

どうやら秘密にしておいてくれてるらしい。

だが恥ずかしい事に変わりはない…///

御坂『今日はなにたべよっか!』

――照れ隠しで発した言葉は震えていた。

その時、目の前に一台のバスが停まった。

バスのドアが開くと、緑色の腕章をつけた少年少女が数人、
ヨロヨロと降りてきた。
足取りは重く、目はどこか虚ろだった。


今、バスの座席で熟睡している人達は、違うバス停でこの様になるのだろう。

異様な光景を呆気にとられながらみつめていると、
見覚えのある、ツインテールの少女が、同じ様にバスからヨロヨロと降りてきた。

少女がバスから降りて少し歩くと、バスはドアを閉めて次の目的地へと向かった。

ふと、こちらに気付いた少女は、急に目を輝かせて大声で叫んだ。
『お姉様〜〜〜〜♪』
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