黒子と美琴
□Fあなたが好きなもの…
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黒子『…き…奇跡ですのぉおぉ♪』
美琴「!?」ビクッ!!
自室の机の書類を見ていた黒子がいきなり歓喜の声をあげた…
美琴「な…なによ急に大声だして!?
ビックリしたじゃないっ…」
ドキドキ
黒子『ウフフ…フフフフ……お・姉・様?
明後日がなんの日がご存知でらして?』
黒子は全く悪びれる様子もなく、
怪しげに笑いながら美琴に訪ねる。
美琴「ん〜?明後日…
ぁあ…!なんの都合かは忘れたけど、
確かうちの学校が特別休校になったんだっけ?」
黒子『ええ♪正解ですの!
…で・す・が…
それだけじゃないんですのよ?』
尚も不気味な笑みを浮かべながら、
自分のベッドに腰掛ける美琴に近づく…
美琴(な……なんか恐い…)ゾクッ
「…他に…何があるのよ?」
黒子『ウフフ…今、スケジュールを確認していましたら、
風紀委員も非番でしたの♪』
美琴「…そ…そう。
よ…良かったじゃない♪
1日中、一緒に居れるわね…」ビクビク
黒子『ぇえ、それは勿論ですわ♪
…で・す・が……』
語りながら美琴の前で両膝を付き、
美琴の手に手を重ねる…
美琴「…ですが?」
ゴクリ
黒子『更にっ!!!!』
と、美琴の手をギュッ!と掴む。
美琴「キャッ!!」
ビクッ
美琴「さ…更に!?」
ドキドキドキドキ
黒子『明後日は…!!
お姉様と私が結ばれてから50日目の記念日ですのぉ〜♪♪♪』
スリスリスリスリ
と美琴の太ももに顔を埋めて頬擦りする
美琴「ちょ!?…ちょっと…///
どこに頬擦りしてんのよっ…変態っ///」
カァァ
黒子『おっ姉様〜おっ姉様〜♪♪♪』
スリスリスリスリ
美琴「ん…もぅ…バカ黒子っ…///」
ご機嫌に頬擦りする黒子に、内心悪い気はしないので、
その姿勢のまま黒子の頭に
――ポンッ
と手を置く。
黒子『お姉様〜♪
奇跡ですのっ♪学校も休み、風紀委員も非番、しかも記念日♪
嬉しいですの♪』
黒子は美琴の顔をみあげる。
満面の笑み、上機嫌だ。
美琴「はいはい」
ナデナデ
(本当に嬉しそうだなぁ〜♪可愛い♪)
黒子『えへへへ♪
おっ姉様〜もっとナデナデ〜♪』
――ギュゥ〜
美琴「全く、今日の黒子はすごく甘えん坊ねぇ?」クスッ
ナデナデナデナデ
黒子『お姉様♪記念日のプレゼント、何がよろしいですか?』
美琴「別にプレゼントなんていらないわよ?
ってか、あんた3日前も『45日目の記念日ですの〜』
っつってはしゃいでたじゃない…
5日おきにプレゼント交換なんかしてたら、部屋が荷物で溢れちゃうわよ?」
黒子『5日おきじゃありませんの!!毎日が記念日ですのよお姉様〜♪』
美琴「黒子ってばおおげさねぇ…」クスッ
黒子『あら?別にわたくしが大袈裟って訳じゃじゃありませんのよ?』
そう言いながら黒子はベッドに上がり、
後ろから美琴の首に腕を回して、
覆い被さる様に抱き締める。
黒子『今日のお姉様は、今日しかみられませんの〜♪
明日のお姉様も、明日しかみられませんの♪』
美琴「ちょっと黒子、重いってば〜!」
黒子『だ〜めですの♪ わからず屋のお姉様にお仕置きですの♪』
――のしっ…
美琴『うぅっ!!…わかったわかった!!
わかったから!
降りなさい黒子〜』
黒子『わかったならよろしいんですの♪』
美琴に預けていた体重を戻し、
今度はわき腹辺りから両腕を回して軽く抱き締める。
美琴の肩に顎を乗せて頬擦りしながら美琴に問う…
黒子『それでお姉様は何が欲しいですの?』
しばらく考えた後
美琴は天井をみつめながら答える。
美琴「ん〜…別に欲しい物ってないなぁ…
ってか、記念日の大切さはもう分かったからさぁ!
別にプレゼント交換する必要もないでしょ?」
黒子『ぇえ〜!?プレゼント交換しないんですのぉ〜?』
美琴「ん…一年とかならまだしも…
50日の記念日ってなんか半端じゃない?」
黒子『キリが良いじゃありませんの♪』
美琴「あんたねぇ、そんな考え方してたら、
年に何回プレゼント交換するのよ?」
黒子『だってぇ…今回は特別なんですのよ?
色んな偶然が重なって……いや、これはもう既に必然ですの!!』
美琴「あ〜もう、わかったから!明日考えておくから!
もうそろそろ寝るわよ?」
黒子『は〜いですの!』
腑におちない様子で、自分のベッドに戻る黒子。
黒子『明日…ちゃんと何が欲しいか考えといて下さいね?』
美琴「はいはいわかったわよ。
おやすみ、黒子」
黒子『おやすみなさいですのお姉様。』
――パチッ
美琴は真っ暗な部屋でベッドに寝転がりながら、考える。
(なにが欲しいかって聞かれてもねぇ…。
う〜ん……
……
……
…zzZ…)