黒子と美琴
□J私だけに…
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―朝支度をする黒子が急に焦り出した…
美琴「どうしたの…黒子?」
黒子『リボンが…見当たりませんの…』
美琴「…え?」
いつも黒子が髪を結んでるリボンが無くなったらしい…
美琴も探すのを手伝ったが、
部屋中を探しても見つからない…
予備もないと言う…
美琴「今日はそのままでいくしかないわね〜」
黒子『そうですわね……』
―――
――
黒子『…ハァ…』
美琴「嫌そうね?」
黒子『…ええ…子供の頃からあの髪型でしたので…やはり
落ち着きませんの。
それに…クラスで質問責めに合うのが見え見えですので…』
美琴「ぁ〜確かに、
黒子っていえばツインテール!
ってのはあるわね♪象徴っていうか!
そう言われると、なんか私も落ち着かないわ…」
なんて会話をしながら登校する…
「御坂様、おはようございます♪」
大多数の生徒の憧れである美琴を、
朝から見つけた生徒は、嬉しそうに美琴に挨拶をする。
それはいつもの事だった…
美琴「おはようございます♪」
美琴に挨拶を返された生徒は、
いつもなら嬉しそうにニコニコとして
「では…♪」
等と言いつつ歩いて行くのだが、
今日は違った…
「本日はいつもご一緒の……あっ…!?」
黒子をマジマジと眺めながら、
途中まで言いかけていたことを、
突然何かにハッとした様に辞めたと思ったら、いつもの様に
「では♪」
と言って通り過ぎて行った…
「???」
二人は意味が解らず
顔を見合わせる。
途端、また違う人間に声をかけられる…
「まぁ、御坂さん♪
ご機嫌麗しゅう♪」
美琴「おはようございますー―さん♪」
と笑顔で返す美琴。
美琴が名指しで返したので、美琴のクラスメイトだろう…
と黒子は直感した…
そのクラスメイトらしき人間も、先程の生徒と同じ様な反応をみせた…
「本日はあの一年生の方………あっ…」
と、黒子を見ながらまた言葉をとめて、
何故か黒子を見ながら
「すみません♪」
と笑顔で、謝罪をして足早に去っていった…
「???!!?」
二人はますます訳が解らなくなる…
立て続けに同じ様な事が起こったうえ、
何故か黒子に一言謝って行った…
美琴「……なんなんだろうね…?」
黒子『ん゙〜…なんなんでしょう…?』
二人の疑問は数十秒後にアッサリと解けた…
下駄箱がある玄関
スペースに着いた時
玄関から上履きを取り出していた、
黒子のクラスメイトの口から出た言葉によって…
『まぁ♪御坂様おはようございます♪』
美琴「おはよう♪」
黒子『おはようございますー―さん♪』
その生徒は、一瞬、
何で私の名前を…?
という顔をして黒子を眺めたが、
「あら?白井さんでしたの!?
おはようございます
…すみません全然解りませんでしたわ
いつもと…その…違ったので…」
と申し訳なさそうに言った…
黒子『あ、気にしないで下さいまし♪』
と言いながら、美琴の顔をみやる…
美琴も黒子を見ていて、二人して、
なんだそういう事か…と目で笑った。
先の二人が聞こうとしたのは、
いつも一緒にいる白井黒子さんは?
だったのだろうが、
よくみれば隣にいる少女は、
紛れもなく白井黒子だったので、
驚きと申し訳なさに言葉をつまらせたのだ…
やはり、
黒子=ツインテール
という印象は、
美琴以外も多くの人間が持っていたようだ…
案の定…というように、クラスメイトは黒子に問いかける…
「今日はどういたしましたの?いつものツインテールは…」
と切り出され、
黒子は予め用意しておいた答えを返す…
黒子『今朝リボンが見当たらなかったので…
明日には戻しますの♪』
理由と一緒に、明日には戻すと宣言する事で、
この話題を即終了…
させれるハズだった
急に意外な答えを返される…
「まぁ、そうでしたか……でも、もったいないですね…
今の髪型、可愛くてとてもお似合いですよ?」
美琴「…………」
黒子『ぁ…ぁあ…いえ、ありがとうございます♪…でもやっぱり落ち着かないので…』
予想してなかった展開に、戸惑いながら返す黒子…
社交辞令だとしても、可愛いと言われて
内心悪い気はしない
いつもと風貌が違う事で笑われる事も予想していたからだ…
しかしその生徒は本心だった様で、
「あら残念ですわ」
と少しガッカリした様に言うと、
黒子に一緒に教室に行こうと促した。
もちろん、ここから先は学年が違う
黒子と美琴が別行動になると知っての事だ。
「はい」
と二つ返事で返して
黒子『ではお姉様、
またお昼休みに♪』
という黒子に
美琴「あ、うん!
またね…♪」
とどこか焦り気味に返事する美琴…
黒子の後ろ姿を見つめながら胸に手を当てる…