黒子と美琴

□Fあなたが好きなもの…
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――翌日の夕方…
某ファミレスにて…

美琴「ってなようなやりとりが
昨日あってね…」ハァ

――ズズズッと残り僅かなアイスティーをすすりながら溜め息を吐く。
相談相手はいつもの二人。

佐天「相談があるっていうから何かと思えば、
ただのノロケにしか聞こえませんよ?御坂さん☆」クスッ

初春『うはぁ〜♪
記念日のプレゼント交換とか、
相変わらずラブラブですねぇ♪
でも何でそんなに悩んでるんですかぁ?』

美琴「ん〜…それがさぁ…
なかなか決まんなくて…プレゼント。」
フゥ…

初春「確かに、プレゼント何が欲しい?
とか聞かれると、
選ぶのって、なかなか難しいんですよねぇ。
…ウンウン。

どの位のレベルまで言っていいんだろう…みたいな…!」

佐天「あぁ、それは確かにわかる!
特に金銭面とかね…
あんまり高い物も言いにくいし、
逆にあんまり安いと、遠慮してるの?
って思われるしねぇ〜」

佐天「ん、でも…それなら、
御坂さんが好きなゲコ太グッズとかじゃ駄目なんですか?
値段も手頃だけど、
御坂さんが本当に好きな物だしっ☆」

御坂「ん?あ、ごめんっ…私のプレゼントはもう決まったの!」

佐天初春「…?」

御坂「ごめんごめんっ!説明不足だったねっ!
私、筆箱がボロッちくなっちゃってたから、
そろそろ買い換えようと思ってた事思い出してね、
だから筆箱にしよっかなって♪」

佐天「そうなんですか☆
あ、でも白井さんの事だから…
『お姉様…遠慮してますの!?』
とか言われちゃいそうですね?」

初春「ウフフフフ…甘いですよ佐天さん?
勿論!!そこで御坂さんが
『毎日使う物だから黒子にプレゼントして欲しかったの♪』
って言うんですよ!」

佐天「成る程!それなら白井さんも、
『お姉様♪毎日わたくしとの繋がりを感じてくれますのね♪』
ってな感じで大満足だね☆」アハハ

美琴(……なんか恥ずかしい…///)

初春「でも、それじゃあ御坂さんは何に悩んでるんですか?」

美琴「ん?あ〜…え〜っと…
黒子への…プレゼント…。」

佐天「白井さんへのプレゼント…?」

美琴「…うん。その…私もなんだかんだ言いながら
結局プレゼント決めたし…
やっぱり貰うんなら黒子にもあげたいな…っておもったんだけどねっ。
……でも…」

美琴は氷だけが残ったグラスを
カラカラと鳴らせながら語る…

美琴「私…黒子に何あげていいかわかんないのよね……」
ハァ…

佐天初春「………」

美琴「どうせあげるなら、あの娘が好きな物あげたいんだけど……。
私、黒子が好きな物ってよく知らないのよ…」
ハァ

初春「白井さんが」

佐天「好きな物…」

三人は黙って考え込む…

白井黒子が…
好きな物?

美琴のグラスの氷が溶けて、
――カランッ…
と音を鳴らしながら形を小さく変えていく…

初春「う〜ん…。
確かに考えてみても、思い当たる物はないですねぇ…」

佐天「ん〜…確かに、白井さんが好きな物ってなかなか思い付かないね…」

美琴「フゥ…
そうなのよねぇ……
あの娘が喜ぶ物って、いったいなんなのかしら…」

三人「ゔ〜ん…」

――ファミレスの一席で、
三人の少女達はひたすら頭を悩ます…
周囲からすれば、
とても異様な光景だった…

美琴「………」

初春「………」

佐天『…っつっはぁ〜!!』

美琴初春「!?」

――ついにこの雰囲気に耐えきれなくなった佐天が沈黙をやぶる。

佐天「すみません…なんか考えれば考える程わかんなくなっちゃって…
アタシ、飲み物持ってきますね☆」

と、三人分のグラスを持つ…

美琴「あ、いいよ!自分でとりにいくから!」

――ガタッ

慌てて立とうとする美琴を佐天はたしなめる…

佐天「まぁまぁ、
どうせ御坂さんは、今日一日中悩んでたんでしょ?
少しリラックスしなきゃ、
浮かぶもんも浮かびませんよ〜?」

――その言葉を聞いて、確かに一日中頭を悩ませてたな…
と思った美琴は、素直に友人の好意に甘える事にした…

――トスンッ

美琴「フフッ…そうね♪
それじゃあお願いしよっかな?」

佐天「はいは〜い☆
ミルクティーでいいですか?
初春もさっきと同じのでいい?」

美琴「うん、よろしくね♪」

初春「あ、私はカルピスで!!」

と、散々頭を悩ませてグッタリと机に伏せる初春が佐天に注文する。

佐天「はいはい!
全く…初春も遠慮する振りくらいしたら?」
クスクス

初春「ゔ〜…」

――クスクスと笑いながら、佐天はドリンクバーへと歩いて行った。

美琴「ん〜っ♪」

佐天のお陰で緊張が緩んだ美琴は、
両手を高く上げて伸びをしながら初春に語りかける…

美琴「優しいよね〜佐天さん♪」

初春「ですね〜♪」
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