黒子と美琴

□G夢の中へ…
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常磐台中学
一年生の教室にて…

「やったわ〜♪
やりましたわ〜♪
白井さん、見てください〜」

黒子『どうなさいましたの?柳さん。』

黒子に満面の笑みで話しかけてくる彼女は、
黒子のクラスメート

 ヤナギ フウカ 
 柳 風香

見た目は、
小柄で、長い綺麗な黒髪をなびかせる、
一見清楚なお嬢様。
語尾によく「〜」がつく、
穏やかな雰囲気の少女だが、
ある共通点があり、黒子とは割と親しい交友関係にある。

柳「能力測定の結果で、レベルが4になってましたの〜」

黒子『あら、おめでとうございますですの♪
確かあなたの能力は…ドリーム…?』

柳「夢創造主
(ドリームクリエイター)
ですわ〜」

黒子『そうそう、そうでしたわね!』

柳「今までは〜、他人の夢の中を覗くくらいしか出来なかったんですが〜
最近は〜、夢の中の状況を、
少し変えれるようになってたので〜、
もしかしたらっておもったんですよ〜♪
そうしたら〜
やっぱりレベルがあがってました〜♪」

黒子「夢の中の状況を変える?」

柳「ええ〜、そうですわ〜♪
例えばですね〜」

と柳は自慢気に黒子に説明を始める…

柳「白井さんが〜、
恐竜に追われて恐いな〜って夢を見てたとします〜
それって〜どちらかというと〜
悪夢の部類じゃないですか〜?」

黒子『恐竜に追われる夢はみた事ありませんが、確かにそうですわね』

柳「それを〜私の能力で〜、状況を変えたとしますね〜♪
例えば白井さんの〜、恐いという気持ちを〜、
まるでペットと〜、
追いかけっこしてるみたいな〜、
そんな気持ちの夢に変えるとします〜
すると〜どうなりますか〜?」

黒子『ん〜…悪夢が一転、楽しい夢にかわりますわね!
相手は恐竜ですが』

柳「そうそう〜そういうことなんです〜♪」

黒子『でもだったら、恐竜を子犬にでも代えた方がよろしいのでは?』

柳「そこがポイントなんですが〜、
例え恐竜を子犬に代えても〜「悪夢」って事には変わらないんですよ〜。
なにせ「状況」は〜変わってないままなので〜。」

黒子「つまり、恐竜が子犬に代わっても、
今度は子犬に追いかけられて恐い夢って事ですの?」

柳「そういう事です〜♪」

黒子『でも、子犬…なんですわよね?
恐竜に追いかけられるよりはマシなのでは…?』
柳「夢の中で〜、自分の感情をコントロールできますか〜?」

黒子『ん〜…できるような出来ないような…』

柳「夢の中で〜感情が変わるのは〜、
実は状況での感情の変化なんです〜!
さっきの例でいくと〜、最初に見てた夢のキーワードは〜
対象『恐竜』
状況『追われてる』
なんですね〜

このキーワードには『恐い』っていうのは〜、入らないんです〜
キーワードの中の〜

『追われてる』これが〜
『恐い』をうみだしてるんですね〜。」

黒子『つまり
【恐竜】
 に
【追われてる】
 から 
【恐い】

って事ですのね。
これを恐竜を子犬に置き換えても、
【子犬】
 に
【追われてる】
 から
【恐い】

ってなってしまうって事ですの?』

柳「そういう事です〜♪
さすが白井さん♪」

黒子『では、状況も対象も変えてしまえば、
子犬と追いかけっこする楽しい夢になるって事ですの?』

柳「そうなりますね〜♪
ですが〜私のレベルだと〜、
まだ対象を変えるのは出来ないんです〜」

黒子『話だけ聞いてると、対象を代える方が簡単そうですが?』

柳「それがそうでもないんですね〜」
柳「夢に出てくる物っていうのは〜、そもそも脳の整理の為にしてるんですね〜
過去にみた動物や建物〜
映画や漫画等の脳内の情報が〜、
出てくるんですが〜

脳内で〜ごちゃ混ぜにするので〜
時には〜見たことも聞いた事も無いようなものを〜
自分の脳の中で〜
勝手に創作する事もありますけどね〜

そのどちらにしても〜夢を見ている人の〜
脳内の記憶をいじらないと〜
夢の対象はかえられないって事ですね〜

状況は〜それとは違って〜、
別に脳の記憶をいじる必要はないんですよ〜
私の能力で〜
「追われてるんじゃなくて〜、追いかけっこですよ〜」
って〜、思いこませてあげるんです〜。
一種の催眠術の様なものですね〜♪」

黒子『…なんとなくわかりましたの。
それにしても…毎度の事ですが、
柳さんの話を一気に聞くと疲れますわね…』
ハァ

柳「あはは〜♪難しかったですか〜?」

黒子(話の内容じゃなくて語尾の『〜』のせいですの…)

柳「能力のレベルがあがれば〜
対象を代えたり〜
違う対象を送り込んだり〜
逆に対象を消したり〜
色々楽しい事出来そうですが〜
今のレベルでは〜
『状況変化』しか出来ないんです〜」
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