四天宝寺

□謹賀新年
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「謙兄〜!年賀状きとるで〜!」

新年早々大きな声で騒ぐ弟とは反対に,謙也はコタツの中でボーっと時間を過ごしていた.

夏に部活を引退し,受験真っ只中の今,正月は謙也にとって唯一安らげる休息の時である.

「俺と謙兄どっちが年賀状多いか競争や!」
うれしそうに弟が年賀状を数える
傍らで謙也は机の上にあったみかんを口にした.

「白石の兄ちゃんから年賀状きとるで」
「ああ・・あいつ毎年年賀状くれんねん.」
「白石の兄ちゃんってかっこええよなあ」
「ぶ・・」
思わず口にしたみかんを吐き出しそうになった


確かに白石は容姿端麗,テニスも全国トップクラスであり,部長としても完璧な役割を果たしている.

しかし・・

「謙兄??」
「すまん・・なんでもないわ。ちょっと白石の年賀状貸して」

謙也は白石の年賀状を受け取り、表をみる.そこには几帳面な字であて先と住所が書かれていた

「なあ謙兄。白石の兄ちゃんどんな年賀状くれたん?」
「さあ・・どうって普通や・・」

何気なく葉書の裏をみる

「うわ・・・・」
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