El tono que no se permite

□狂った愛情の果て
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洗い終わると再びベッドへと運んだ。
ぐったりとしながら横になる修羅を見つめる。
恋しくて恋しくて仕方ない。だから、壊してしまおうと決めた。
決めたはずなのに、無防備な姿を見ているだけで、心が揺れてしまう。
傷つけたり苦しめたい訳ではない。
苦しんでいるから、楽になれるようにしてあげたい。ただそれだけだった。

「ダーシァン、俺は修羅の寝顔、結構好きなんだ。無防備な姿見てると、愛しさっていうのか?そう言うのがこみ上げてくる気がする。」

そう言いながら目をつぶり、寝息を立て始めた修羅の頭を撫でる。

「俺も修羅の寝顔は好きだ。ぐっすり幸せそうに眠っているのを見ると、守ってやりたいと思える。」

そう言いながらダーシァンも修羅の頭を撫でた。
お互い本当に修羅が恋しくて仕方がないらしい。

「幸せそう、か。確かに、眠っている時は何も考えなくて良いから、楽なんだろうな。きっと今も都合のいい夢でも見ているだろうな。見ろよ、幸せそうなこの顔。さっきまでとは大違いだ。」

「確かに。どんな夢を見ているんだろうな?」

そんなことを言いながらしばらく修羅の様子を見守る。
5分だけ休んでいいといいながらも、結局二人は修羅の寝顔見たさに1時間ほど修羅を静かに休ませたのだった。
そして、1時間が過ぎ、二人は修羅を起こした。
眠たそうな顔をしながら目をうっすらと明けて二人を見る修羅。
二人を見て、恐怖に身体を振るわせ始める。
二人を拒絶した罰をまた与えられる。身体が壊れてしまうほどに酷いことをされる。それが怖くて仕方がないらしい。
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