EiBel

□プロローグ
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昔、世界の中心にはエルデンと呼ばれる塔があった。
塔の最上階には神がおわし、そこに行き着ければどんな願いも叶えられるという。

ただし、行き着くのは容易ではない。塔を守る番人たちが行く手を阻むのである。
番人たちを納得させる願いでなければ、塔に入ることはできない。

多くの者たちが幾度となく試み、そして挫折していった。各国の王も例外ではなく、たとえ王自身が交渉しようとも無駄であった。


ある日、愚かな王たちは各国の優秀な魔術師たちを集め、番人を封印する計画を立てた。
激闘の末、魔術師たちは番人たちの封印に成功した。

しかし、それは大きな過ちだったのだと、後に彼らは思い知らされる。

エルデンへ続く道が、突如として消えてしまったのだ。それは番人たちが、塔へ導く道標の役割を担っていたからである。

それに思い当たった王たちが、慌てて封印を解かんとしたが、不可能だった。番人たちを封印した魔術師たちが、念入りな封印を施すことで魔力のみならず生命力まで使い果たしてしまったのだ。

かくして、エルデンへの道は永久に途絶えたかと思われた。封印を解く術を知る者は皆死に失せたのである。

ただ一人。完全には封印されず、されど口を開こうとはしない、
番人リギルトを除いて。



彼は千年の時が過ぎた今もなお、人形士の国、カルフィナ国に捕らわれている……。
 
 
 

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