セクゾなティーチャー
□白衣とスーツとお笑いの子
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『聡ちゃーん』
「なになにー」
『とどのつまりどうすればいいかなー』
「とどの、つまり…?」
『うん、聡ちゃんにとどのつまりって言ってもわかんなかったねー』
さらりと笑顔でトゲのある言葉を投げかける私に対して聡ちゃんが、いや、ひどいっと嘆きのようなツッコミを入れた
時刻は放課後、所は保健室。生徒を家へ帰してから、私はこの学校の養護教諭である松島聡に愚痴を…話を聞いてもらうために、保健室へと駆け込んだ。激しくドアを開けた衝撃音と、聡ちゃん!という私の盛大なボイスにより聡ちゃんはぎゃぁあ!と私に負けないくらいの大きな声で悲鳴をあげて消毒液をこぼしていたがまぁよしにしよう。私の心の中の淀みと、憤りに比べればなんてことはない
「まぁ、名無しさんちゃんの言ってることはわかるけどね〜」
『でしょ?女子会開いてよかった』
「いや、女子扱い!?」
ツッコミを入れながら、聡ちゃんは再び消毒液を容器に移す作業に戻った。そこで、突然自分が保健室に押し掛けてしまったことを思い出す
「ま、またなんかあったらいつでもおいで!」
『聡ちゃん…!ありがとう!やっぱり私の女子友達!今度はマリちゃんも参戦ね!』
「また女子扱いね、マリウスはそういう話好きだし、喜んでくるんじゃない?」
『そうだね。じゃぁ職員室戻るね!』
そう言って保健室を後にし、自分の仕事を進めるため職員室へ戻る。明日の授業の準備や学校の仕事、まだまだやることは山積みだ。斜め前の席に奴がいないことに少し安心し、集中して仕事を勧めた
『っあ〜終わった〜!』
グーンと伸びをし、時計を見ると時刻はもう午後8時半を回ろうとしていた。周りを見渡すと半分くらいの先生が帰っていた。が、まだ半分残っている。これだからブラックと言われるんだな、教員は
席を立って帰りの準備をしていると、斜め前にいつの間にやら自席に戻ってきている奴が見えたが、極力そっちを見ないようにした。というか、あんなことを言ってしまったんだ、もしや向こうも私とは顔を合わせたくないかもしれないし、少なくとも合わせずらいとは思う
「あれ、名無しさん先生帰る?」
『あぁ聡ちゃん、さっきぶり』
「あれ、ずっとここにはいたけどね?」
どうやら私とほぼ同じ時に職員室に戻って来たらしい。全然気付かなかった
「なら一緒に帰ろうよ、方向確か同じだったよね?」
『途中まで一緒だったね。車乗ってきなよ、家よったげるよ』
「やったーラッキー!」
いや、ちょっとは遠慮を覚えろ、とツッコミを入れたがゲラゲラと笑い飛ばされて終わった。お先に失礼します、と声を掛け、私達は職員室を出た。ガラッとドアを閉める時に、奴と目があった気がしたが、気のせいということに、しておく
「何かじーっと見てたけど、俺らに用事あったかな?大丈夫かな?」
聡ちゃんもそう感じたようで
『あ、やっぱり?咄嗟に見なかったことにしちゃったけど』
「え、明日俺、おい松島ァっていじめられそう!」
『あはは、そんな菊池くんみたいな』
「え?」
『え?』
何故か驚いたように目をまん丸にするから、私もエンジンをかけようとした手を止めて聡ちゃんの方を向く
「風磨くんのことだよ?」
聡ちゃんがそう言うから、数秒間、考えた
To be continued...