セクゾなティーチャー
□私の後輩くん
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「「「「きゃー!!佐藤先生ー!!」」」」
お昼休み、校庭からは黄色い歓声が校舎の3階まで聞こえてきた
『すっごいな〜…』
早々に女子生徒からの人気が溢れた佐藤くん。お昼休みには生徒とサッカーをして交流を深めているようだ。陸上をずっとやってきたと言っていたが、流石体育教師、サッカーもお手の物。校舎の上からその光景を眺めていると、彼の爽やかでキラキラの笑顔が女子生徒を虜にしているんだな、と納得できる。うん、爽やか男子って、いいね!あれだけ騒がれる人ってやっぱり魅力たっぷりの人だもんなぁ
「「「「きゃー!!中島先生ええええ!!」」」」
『…』
前言撤回。きゃーきゃー騒がれている人みんなに魅力たっぷりなのではなく、人によりますね、はい
数学教えてください〜と休み時間の度に奴を女子生徒が囲む。それに対し、うん、わからないところもっておいで?教えるから。と、満更でもなさそうな奴。正直、顔面ぶん殴りたいです。おっとっと、いかんいかん、口がすべるところだった。え?もうすべった?
「ねぇ先生先生!」
『え?』
「無名先生はさ、佐藤先生と、中島先生どっちがタイプー!?」
『タ、タイプゥ!?』
うちのクラスの女子数人が私を囲んできゃーきゃー予想している。いやいやいや、少なくとも奴は選ぶわけありませんから!
「ねぇ先生ってばー!」
『んー、私は「「「「きゃー!!菊池先生ーー!!!!」」」」
今度は隣のクラスから悲鳴が聞こえてきましたはい、まぁいつものことですが、えぇ。よし、菊池くんを使わせてもらおう
『佐藤先生は若すぎるし、中島先生は(性格が)なぁ〜、まぁ菊池先生だな!』
そうピンチヒッター菊池くんの名前を出すと、女子生徒はきゃーきゃーと喜んで、また話に花を咲かせていた。思春期だなぁ、とかなりババくさいことを考えている間にチャイムが鳴ったため、私は授業を行う教室へと向かった
『あ、菊池くんおしゅはれ(おつかれ)』
「また食ってんすか、太りますよ、もっと」
『もっとってどゆこと!』
「はっ、しまった、俺ったらつい本当のことを…」
職員室に戻ってくるなりいじり倒してくる菊池くん。おい、もっと太るってどう言う意味だ、こら、と言いつつも、お菓子を食べる手を止められないから私の負けだ
菊池くんも食べる?とお菓子を差し出すと、菊池くんはちょっと笑って、私の隣の席へ腰掛けた。放課後の職員室はいつもワイワイ賑わっているものだが、今、二年生の机には私と菊池くん以外誰もいなかった。珍しいこともあるもんだなぁ
『今日も女子に大人気だったねぇ菊池くん』
「…俺っすからね」
『あ、調子乗んな』
「無名さんだって、誰がいいか、って聞かれてたんでしょ?」
『え?あ、あぁ〜聞かれた聞かれた!』
「俺って答えたらしいじゃないすか」
ニンマリとこっちを見て笑ってくる菊池くん。流石中学生、すぐに他言する。冗談で言ったことも本気の情報として出回るから怖いな
『ごめんごめん、隣のクラスから菊池くんの名前聞こえてきたから、咄嗟に菊池くんって言っちゃったんだよね〜』
あはは、と笑い話にして言って菊池くんの肩をポンポンと叩いた。次の菊池くんの言葉は、いやー、俺の方が願い下げっすね〜って、きっとまた私をいじってくるようなものだろう
「…ふーん、ちょっと期待したんだねどなぁ」
え?
と聞き返して菊池くんの方を振り向いたが、彼の顔は夕日に照らされてよく見えなかった
To be continued...