セクゾなティーチャー

□笑えません
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ピピピピピピピピッ

ピピピピピピピピッ











『う〜ん…、うるっ…せぇ!!』




バゴーンッ!と頭上にある目覚まし時計を右腕で吹き飛ばし、物理的に音を止めた。向こうの壁に当たってバキッと破損した音が聞こえたが今は眠気優先だ。ちなみに午前8時に目覚まし時計を設定したのは誰でもない正真正銘この私だ。貴重な休みを無駄にしないようにこの時間に設定しているのだが、いつも目覚まし時計が犠牲となって終わるのだ。休みの日くらいゆっくり寝かせろこの野郎













ちっきゅうは〜いっつで〜もぉ〜ま〜わ〜あってぇるぅ〜♪







『んんっ…今度はスマホかぁぁ、誰だぁああ!』









バギィッと画面が割れそうな勢いでホームボタンを押して宛名を見ると、眠気で四分の三閉じていた目が100パーセント開かれた









『げっ…菊池くんからだ…』





土曜の朝からの菊池くんからのラインにはいい思い出がない。去年は今から海に行くので準備してくださいというような無茶振りにもほどがあるラインが届いていたし


















《おはようございまーす!
無名さん、今日暇ですよね?》













いやいやいや暇ですよねってどういう聞き方!?暇ですかじゃなくて暇ですよね!?









《おはよう。残念ながら無名名無しさんは本日起き上がることができないため…》


《布団ですよね、予想の範囲内っす。暇ですね》





おいぃいいい返信早すぎだろしかも布団でまだ寝てると思われてたわけねぇえ!?いや間違ってないけどさ!しかも暇認知されたよ







《いや、暇じゃない。起き上がることができた後私には色々やることがあるのだ、今日は他をあたってくれ》


《無名さんのやることはきっと明日にでも回せることっすよね、大丈夫っす》



お前が大丈夫言うか!?確かにDVD見たりゴロゴロしたりする予定だったよ!ずらせる予定ですよどうせ!でも今日は疲れた体を癒したいんだ私は引きこもりたいんじゃぁぁあ!





《全然大丈夫じゃないから!笑
私のこと何だと思ってるんだ、とりあえずまた今度遊ぼう!うん!》


《いや、でももう無名さん家向かっててもうすぐ着きます》

















Mu Ka tte ru...?


ムカッテル…?












向かってるぅううう!?





『はぁあああ!?どういうことぉおおお!?向かってるって何!?もうすぐ着くって何!』





《ちょっと待て菊池くんよ。何の冗談?》


《ちなみに中島の車で向かってまーす。勝利と松島とマリウスもいるぜ》


『はぁあああぁぁああああ!?』




あまりの驚きにバサァッと布団が舞った。菊池くん以外に四人もいるだと!?しかも奴もいるだとおおお!?















絶対、先生、から健人くん、に距離感縮めてやるから



















…奴は昨日の夜、よくわかんないこと言ってたけど、まぁ、謝っては、もらった…よな…








『って待て待て待て、今までの奴を思い出せ!やっぱり関わらないに越したことはないからっ!聡ちゃんやマリちゃん佐藤くんは全然いいんだけどさぁああ』





ブルブルッと頭を振って、奴に関しての考えを排した。そしてスマホに目を向けると、あと10分で着きまーすという空気の読めないラインが届いていた。どうやら彼に理屈は通用しないようだ






『大人のレディーに10分で用意を済ませろだと、、?』




文句を垂れている時間もないようだ。しかし、この寝起きの顔と髪型で奴らに会うのだけはごめんだ。マッハで準備をしないと…



ププッ何すかその顔!目開いてなくね!



って絶対菊池くんにからかわれるぅううう!








それだけは嫌だ!という一心で準備を進めていく。こんなに急いで準備をしたのは高校の試験の日に寝坊した日以来だと、思い出したくない思い出に浸りながら何とか顔をつくった












ピーンポーン









『っ…チッ、もう来やがった…』







小説のヒロインとは思えない台詞である










「おはよーございまーす!ってあれ!プクク、無名さん起きてる!」


「あはは、ほんとだ!すごい名無しさんちゃん!」


「おはようございます、突然すみません無名さん」


「おっはよ〜名無しさんちゃん!ごめんね〜風磨くんが無理矢理押しかけても大丈夫っていうから来ちゃった!」


「おいマリウス俺のせいにしてんじゃねーよ!」


「おはよう無名さん。朝の準備急がせちゃってごめんね?」




玄関に入ってくるなりぎゃーぎゃーとうるさい彼ら。結局菊池くんと聡ちゃんには笑われたよ、マリちゃん、君に関しては実はこの小説に初登場だが、まぁ英語の先生っていうのはきっとみなさん言わなくてもわかってくれてると思うよ、佐藤くん、君だけが私の癒しだ。突然すみませんとかなんていい子なんだ。そして奴も私を気遣う台詞を言っていた気がするがまぁいいや










『…ていうか、いつの間に君らそんなに仲良くなったの…』


「「「「「…うーん、知らない」」」」」


『ハモるんかい!』






私のツッコミに聡ちゃんが笑う。菊池くんは、いや、中島とは仲良くなった覚えはないけど、と奴をいじって奴は菊池くんに、いやいや中学からの付き合いだろーがっ!とツッコミを入れていた。やっぱりここのお笑いの連携できてるな。佐藤くんも年下の聡ちゃんやマリちゃんに対しても、年上の菊池くんや奴に関しても何だがもう普通に話せている、兄弟みたいな人達だなぁ















『で、どうすればよいのさ』














そう、そもそも、突然準備させられて、家に押しかけて来られて、何をするのか、という大事なことを聞けてなかったのだ


そんな私の引きつった顔を見て五人はニヤッと笑った


















「魚、釣りに行きましょ!」































































……うん、正気かな、この人達























To be continued...
 

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