セクゾなティーチャー

□デートですが何か
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『えっと…中島先生何か悪いものでも食べました?』


「え、食べてないよなんで?」


『今なんて?』


「ん?デート行こ?って」











私無名名無しさん(独身)は、耳鼻科に通うことを決意しました



目の前には奴


場所は理科室


そして奴の方から思ってもみない言葉が出てきた




デートって何だっけ、今すぐググりたい気分だ







『あのー、言う相手、間違えてません…?菊池くんとか…』


「男とデートは行かないわ!」





どうやら彼が言っているのは本当に男の子と女の子がウフフアハハな感じでお出かけするもののことらしい


でも何故突然そんなことを言い出したのか、とても不可解である







『な、何で私?』


「そんなの、無名さんと行きたいから」


『他の子…「他の子じゃ嫌、無名さん」




言葉を上から被せてきた


世間一般女子がトキメクであろう言葉を羅列してくる奴に、私はますます不可解な気持ちが募ってきた







「ね、とりあえず、今週土曜日、このペアチケット使って映画ね」


『映画?何の?』


「今話題の恋愛映画」






ヒラヒラとチケットを動かす奴の手元を見ると、私が観たいと思っていた映画のペアチケットが








『そ、それは…!』


「え!なに、好き?」


『っ…』







めちゃくちゃ観たい…!

と本音を言ったらもう、行く、ということを承諾してしまうのと同じだ



ぐっとそこまで出た言葉を飲み込む





だって、奴とデート、、だなんて…!










「はは、観たかったんだ?ならちょうどいいな!土曜の10時に家の前で待ってて」


『まっ、私まだ行くとは言ってないけど!』


「え?俺から誘ってるのに、断るなんてことある?」


『で、出た自意識過剰!』


「はは!また怒られちゃうよな!うそうそ、俺はすごい楽しみにしてるから」





そう言ってニコッと優しい笑みを私に向け、理科室から出て行った奴

























『デートって……ん?ていうか、今私これもう行く流れになってる!?』






何だか断る隙もなく事が運ばれて行った気がする



え、何なに行くしかないのこれ、行った方がいいのこれ!?














































『ねぇ聡ちゃんどう思う…!!』


「すごいね進展進展!」


『私、お金そんなに持ってるように見えるのかな…!』


「いや健人くんお金目当てじゃないでしょ!」





放課後の保健室は穴場だ



半ば、私と聡ちゃんのしゃべり場と化してしまっているが








『ねぇ、これ行かなきゃいけないかな?』


「もちろん!デートだよ!初めはブチ切れるだけの対象だった健人くんとデートなんて、なんかいい!」


『よくないんだよぉおお!あの頃はどの怒りはないにせよ、宿敵は宿敵!』


「宿敵って面白いね」


『聡ちゃんもついてきて…!』


「いや無理だから!健人くんに殺されちゃう!」





それにどう考えても俺邪魔だよね!?と言う聡ちゃんはどこか楽しそうだ



私はこんなに真剣に同行者を求めているというのに














『こうなったら菊池くんについてきてもらおう…!』


「やめた方がいいって!風磨くんも健人くんも怒るよ!」





もはや私には聡ちゃんが言っている意味すらわからなかった



まぁ、せっかくなんだし楽しんできなよ!名無しさんちゃん普段デートとかないでしょ!


とむしろ背中を押されてしまった





あれ、背中押されると同時になんかディスられた気がするけど気のせいか


















『わかったよ聡ちゃん…!そんなに言うなら私、意を決していざ参ってくるわ…!』


「いや、戦争にでも行くの?」








珍しく聡ちゃんからのツッコミを受けたが、私の耳にはすでにインプットしてこなかった











土曜日、一体どんな戦……デートになるだろうか、




今からドギマギしているのである












































To be continued...

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