セクゾなティーチャー

□ねぇ、
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車を走らせること20分




俺の言っていた行きたい場所に到着し、車を停めた














『わー!すっごい!!お花畑ー!』






行きたい場所、というか、連れて行きたい場所



車を降りるなり、無名さんは目をキラキラ輝かせて花畑の方へ小走りで向かっていく







『すごい…私一回お花畑って来てみたかっ……』


「?どうかした?」




はっと突然言葉を止める無名さん



不思議で聞いてみる





















『ご、ごめんっ、私ったら子どもみたいにはしゃいで…!』





バツが悪そうに、耳を赤くさせて言う彼女の言葉に、自然と笑みがこぼれた





「気に入ってもらえたみたいでよかったよ、初めの時理科室にダリアの花が飾ってあったでしょ、その時に花が好きって言ってたから」







だから、君の好きな花が目の前にたくさんあると、どんな反応をするんだろうって、すごい見てみたくて












『そ、そんな些細なことを覚えて…!?超能力者…!その、すごい、嬉しい…!』







あぁほらそうやって、俺の想定外の、可愛い反応するから





微笑ましい気持ちになってくる


















この感情、なんて言うんだっけ






























可愛いお花、持って帰っていいのかな、



と一人楽しそうに呟いている無名さんの隣に行き、足元にあるシロツメグサを一つ、プチッと切る
















「さっきの映画の王子も、こうやってたね」










そして、無名さんの薬指に指輪のようにして結ぶ
















『なっ、ちょっえっ…!』


「 はは、映画の王子様は、本物の指輪だったけど」









自分の指輪に巻かれたシロツメグサの指輪を見ながら、言葉にならない言葉を吐いて戸惑う無名さん








『ちょ、からかいすぎ!』


「別にからかってるつもりないよ?」


『さ、更にからかいすぎー!』








どうやら無名さんはからかわれてる、と思っているらしい



顔を更に赤くして、指輪と俺を交互に見る



そんな彼女の素振りは、胸をキュッと締め付けるものがある












『中島先生、女の子慣れてる…』





からかいすぎ、と言った後に、そんな言葉が聞こえてきた








慣れてる、



確かにその響きは間違いではない




でも、












俺は無名さんがいい
















無名さんにしか、こんなことしたくない





















「したいと思った人にしか、しないよ」






誤解はしないで、俺は無名さんだから今こうしてる






無名さんは、今何を考えているんだろう




















『…何か、中島先生も、そんな顔するんだね、』


「え?」


『何でも!素敵な場所に連れてきてくれてありがとう』


「あ!誤魔化した!」






俺がそう言うと無名さんは、笑いながらいいのいいの、と言った


その表情はとても明るいもので、普段俺に向けていたそれとは違った



































『帰りも…わざわざ送ってもらっちゃってごめんね?』


「全然。むしろ、楽しい時間をありがとう」


『ま、またさらっとそういうことを…!じゃ、じゃぁ、また、月曜に学校で…ね』






車を降りようとする無名さん



















行くなよ、











そう言って引き止められる関係だったらそうしてるのに




























あぁ、この感情の名前、何だっけ、やっぱりわからない






























降りてしまう、と思ったら、


あ、と何かを思い出したような表情をして、鞄の中身からゴソゴソと何かを取り出す


































『これ、今日は色々やってもらっちゃったから…あげます!家に帰ったら…その、食べて!』


「え、?わ、クッキー!?」


『さっき寄ってもらったコンビニで売ってた!これ、私のオススメ!じゃぁね!』











そう言って、ニコッと笑顔を俺に向け、手を振った無名さん






もらったクッキーの横には、さっきの花畑にたくさん咲いていた白いダリアが一輪




白いダリアの花言葉は、ありがとうの感謝

































あぁそうか、この感情の名前を思い出したよ






























































ねぇ、










































好き











































To be continued...

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