落乱

□左門、粘着系男子の15年ネチネチ
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*注意*
この作品は曲パロディです。
苦手な方はお逃げ下さい。





















君への愛を綴ったポエムを送り続けて15年

返事はまだ来ない





返事はまだ来ない、、、。





一年目はただただがむしゃらだった。

道に迷っても、徹夜で眠れなくても、毎日毎日欠かさずにとうふへの僕の気持ちを書いた。

執拗に切手を舐めた。
舐めすぎて何枚かダメにしてしまった事もあった。
その度にさくべーは悲しそうな顔をして怒った。



君に届け僕の唾液(こころ)!!
なんて少し茶化してみたら余計に怒られた。





二年目もやっぱりがむしゃらだった。


家が燃えても気づかない程に僕はとうふの事を思っていた。

服が下から燃えて、気づいたら襟しか残っていなかった。

アパートの大家さんとさくべーに物凄く怒られた。
三之助にまで注意された。

流石に今回は僕が悪かったからあやまった。






三年目にはこなれてきた。


自分でいうのも変だが、もはや文学の域に達していた。


さくべー達に見せたら三之助が
「これ、mixiの日記に載せてみよーぜ。」
と言ってきたので載せてみた。
驚くことにマイミクがカンストした。






四年目は雑誌に投稿してみた。
社会問題にまで発展してしまった。

ポエム集の出版を頼まれたが、僕は小難しいことが嫌いだからさくべー達に相談した。
そしたらまごへーが
「やってもいいんじゃない?別に」。
と肩を押してくれた。
僕は早々にサラリーマンを止めた。

入社して間もないけれど、先輩方にとてもお世話になったから少し名残惜しい。






君への愛を綴ったポエムを送り続けて15年


返事はまだ来ない





返事はまだ来ない、、、。






五年目はプロポエマーになった。

いつものごとく迷っていると女の子達に囲まれた。
F1層に人気があるらしい。
だけど僕はとうふ一筋だ!!

だからどんなに可愛いと褒められている子が居たとしても、僕にはひじきが生えた大根にしか見えない。

そのことを藤内に話したらシバかれた。
何故だ!?!?
解せぬ!!!





六年目に身体を壊してしまった。
医者(数馬)の話しだと無茶のし過ぎらしい。
僕は頑張っているからな!!!
と数馬に言ったら目潰しを喰らった。


既にポエムの数は二千を超えていた。

折れたことのない骨がない。
壊してない内蔵がない。

とうふは元気な僕が好きだと言った、だから僕はまだまだ元気だ!!





七年目に完調した。

今日は君を何に例えようか…
エクストリームなアイロンがけか…いや、やっぱり複素内積空間にしよう!!





八年目も僕は変わらずさくべー達と馬鹿しつつ、とうふのことを思っていた。

今日は君を何に例えよう、
幕下16枚目の全勝優勝か、AMPA型グルタミン受容体か…。


そういえば昔、とうふをゴリラを使って強くて凛々しいと例えたら殴られたな…、何が気に食わなかったのか…。





君への愛を綴ったポエムを送り続けて15年


返事はまだ来ない





返事はまだ来ない、、、。






九年目僕は事故に遭った。
酷く頭を打ったらしく、僕は自分の名前も仲間達のことも忘れてしまっていたけれど、君が好きな事だけは覚えていた。




十年目も十一年目も記憶は戻らなかった。
それでもやっぱり君のことが好きだった。
ただただ返事が欲しくて子供の様に駄々をこねて、さくべー達を困らせた。




十二年目も十三年目も記憶は戻ってこなかった。
まだまだ君が好きだった。
それしか持っていなかった、




十四年目にもまだ記憶は戻らない。
毎日が怖くて不安で、泣いて、叫んで、君のことを考えた。
一目でいい、君を見たい。
写真じゃない本当の君を、なぁ、とうふ、頼むから、一言だけ言わせてくれ。




十五年目に記憶が戻った。
全部思い出して泣き出した。
さくべー達も僕の隣でよかったよかったと大泣きしている。

思い出した、思い出してしまったんだ、

























十五年前君が死んだことを、、、


















君への愛綴ったポエムを重ねればいつか届くかもしれない!!

そう思って、自分の柄じゃないポエムを書きはじめた。


そうして、とうふのだった部屋に毎日放り込んだ。





あの日とうふに言えなかったこと、"愛してる"
そして、君がもう見えなくたって愛し続けてやる!!!


でも、また会えると思ってた、少し期待した。
とうふはまた僕を置いて行ったな。
次会う時は、こちょばしの刑だ!!覚悟してもらうぞ!!!




さくべー達は凄く心配してくれていた。
それはとうふのことに関してなのか、それともまた別のことなのか…分からない、分からないけど、今の僕は酷くスッキリしている。



とうふは僕の元気なところが好きだと言った、僕は照れて返事を返せなかった、勿論後悔は死ぬほどした、



だから僕は、、、








君への愛を綴ったポエムを送り続けて十六年


返事はまだ来ない






返事はまだ来ない、、、






20111202.

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