LONG STORYS
□交差点
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今日は悲しい夢を見た。誰かが一人ぼっちで泣いている夢。その子は「寂しい」と言って助けを求めている。何でそんなに泣いてるのかと聞いても、答えてくれない。
ただ一言
「太陽には分からないよ」
そう言って、霧になって消えてしまった。
〜始まり〜
「まもる〜、起きなさい!風丸君が来てるわよ!」
「え!もうそんな時間!?」
おかしいな?目覚まし時計セットした筈なのに。そう思い時計を確認すると、電池が切れていて時計としての役割を果たしていなかった。
「役立たず!」
そう文句を言いながら急いで朝の支度をし、階段を一段飛ばしながら玄関まで走る。
「風丸、ごめんな!じゃあ行ってきまーす!」
「いってらっしゃい!」
俺は遅刻すると思って、風丸の手を掴み全速力で走った。何とか間に合ったけど、朝から無駄に汗をかいてしまった。悪いなって風丸に言ったら、「そういう所を含めて俺は円堂が好きだよ」と照れながら言ってくれた。そう、俺達はただの親友同士ではない。だからといって恋人同士でもない。ただ、親友の"好き"が延長しただけの関係。そんな関係に俺達は満足していた。親友以上、恋人未満。
「円堂、部活に行こう」
「おぅ!今日も俺達が一番乗りだな♪」
だと思ったのに…
ガラガラ
「えっ 円堂///」
そこには上半身裸の豪炎寺が、鬼道に押し倒されている光景があった。実はこういう事はよくあるんだ。豪炎寺は嫌がるんだけど、鬼道が積極的で所構わずに始めてしまうという悪い癖。
「はぁ〜、お前らさ。部室はラブホじゃないって何回言えば分かるんだよ…」
ここまで言ったら分かるよな、二人は付き合っているんだ。
「違うんだ、円堂。ただのウォーミングアップだ」
「鬼道、言い訳が苦しいぞ」
風丸が直ぐさまツッコミを入れる。
「部室はお前らだけの物じゃないんだぞ?それに、するんなら鍵をかけろ!」
俺は呆れながら、ボールの準備を始めた。あいつら実はサッカー部公認のカップルで、常にイチャイチャしてる。以外だって?そりゃあ二人だって一応男だし、何時もクールって訳じゃ無いんだ。
「だからやめろって言ったのに///」
「そんな顔で言っても、誘ってる様にしか見えないが」
こんな所だけを見ると変態にしか見えないだろうけど、サッカーとなると違うんだよな…流石天才ゲームメイカーだなって、心の底から思えるような作戦を練っちゃうんだ。その時は凄いカッコイイんだけど、豪炎寺の事となると人が変わっちゃうんだよね(苦笑)
豪炎寺は豪炎寺で、炎のエースストライカーという肩書に恥じない素晴らしい動きをする。普段から無口だし、クール系の筈なんだけどさ…鬼道の前だと急にしおらしくなっちゃうんだ。
なんかさ、ここまでくると清々するレベルなんだよね。だから皆応援するんだけど…
「こいつら、どうしようもないな(苦笑)」
「あぁ…そうだな(苦笑)」
風丸が唯一の理解者かな?