銀魂短編

□カラダノキズハココロノキズ
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「………お前どしたのコノ傷ιι」
「……………………」
「アレ?無視?」
「……お前ぇにゃ関係ねぇよ」

俺の恋人は、
オオキナキズを抱えて
帰ってきた。

★カラダノキズハココロノキズ★

「冷てぇの」
「…うぜぇな。放っとけ」
「それが出来たら苦労しないよ」
「……………………」
「で?何があったの?」
「………別に」
「はぁー…。あのなぁー、仮にも俺たち恋人同士だぜ?」
「…それがどうした?」
「……。まぁ晋助が言いたくないんなら別に言わなくても良いけどさ」
「……………………」
「とにかく、傷の手当しようぜ」
「いらねぇ」
「ダーメ。手当だけはさせろ」
「いらねぇって言ってんだろぉが」
「晋助が良くっても俺が嫌なの。晋助の体に傷跡残るの嫌だし」
「はっ!だったら絶対跡残してやらぁ」
「お前なぁ…」
「ふんっ……………」
「おいコラ。待てって」
「………何だ」

「手当!無理矢理にでもするからな」
「………好きにしろ」
「じゃあソコに座れ」
「……………………」
「しっかし…まぁーた派手に暴れたのね」
「……………………」
「今日は一人だったのか?」
「あぁ……」
「そっか。あ、薬塗るからかなりしみるかもしれないけど我慢してね」
「………っ、んっ……」
「晋助何かエロい」
「お前ぇいっぺん死ぬかぁ?」
「あははっ、冗談。俺まだやりたい事いっぱいあるもん」
「知るかよ。お前ぇに用があっても俺にはねぇんでな」
「だから?死ねと…」
「あぁ。死ね。なんなら俺が叩き斬ってやるぜ?」
「はっはっはっ!晋助に殺められるんなら本望だな」
「はっ!だったら今ココでお前ぇの願いを叶えてやらぁ」
「いや。折角だけど今は遠慮しとくよ」
「遠慮なんざするもんじゃねぇよ?っつーかいつまで包帯巻いてんだよ」
「いやいや。時には遠慮も必要だよ?…はい、終わり」
「変なとこで遠慮すんな。お前ぇには大きなカリがあるからなぁ……」
「大きなカリ?晋助の目からして俺には良いものが返ってきそうにないんだけど?」
「当たり前ぇだろ。お前ぇ…俺に何したか解ってんのかぁ?」
「…………俺、何したの?」
「……………………」
「アレ?黙り?」

「………うぜぇ。やっぱ斬る」
「ええぇー…。そりゃ無ぇよ」
「俺が、どんだけ傷ついたと思ってんだ………」
「あぁ?」
「俺が、どんだけ辛い思いしてると思ってんだ………」
「晋助?」
「俺が、どんだけ、お前ぇのコト、好きだと…思ってんだ…………」
「…………晋助」
「何だよ……」
「どうしたんだ?やっぱ俺何かしたんだろ?俺、何した?」
「……………………」
「おい、晋助………」
「っ、コノッ!離せっ、浮気者がっ!!」
「…は?浮気…者?」
「くそっ、離せって!」
「やなこった!晋助、ちゃんと説明しろ。浮気者ってどう言うことだ?」
「そのまんまの意味に決まってんだろぉが!」

「俺がか?そりゃいつの話だ」
「知るかよっ!俺は今日聞いたんだ!」
「聞いた…?誰から、何を?」
「ソレをお前ぇに言って何になるんだぁ?」
「晋助の誤解を解くことが出来る」
「俺の、誤解…?俺の意見が間違ってるとでも言うのかぁ?」
「そーじゃなくて!もしかしたら間違ってるかもしれないから確かめるんだ!」
「……………………」
「な?頼むから俺に全部言えって…」
「……鬼兵隊から裏切りが出た」
「まさか、うちから…?」
「あぁ。ソイツは俺が罰を与えることになってたんだ…」

「……それで?」
「ソイツを斬る直前に言われたんだ……お前ぇが副長さんとやらとイチャコラしてるとこを見たってな」
「副長さん……土方、十四郎か?」
「あぁそうだ。何か思い当たる節が有るんじゃねぇかぁ?」
「………………無い」
「無いわけ有るめぇよ。お前ぇが覚えてねぇだけだろぉがっ」
「本トだって!俺土方十四郎とは何の記憶もねぇ……」
「嘘だろ……?」
「嘘じゃないよ。つーか、裏切り者より…俺のこと信じてよね…」
「うそ、かよ……。っ……土方んトコ、行き損じゃねぇか………」
「何?もしかしてその傷土方十四郎にやられたの!?」
「……………あぁ」
「何で土方十四郎ごときに斬られてんだよ……」
「気が動転してたからなぁ…。よろめいた隙にバッサリ……。まぁ、お礼はきっちりやってやったけどな……」
「そーか……ιι」
「まぁ別に痛か無かったがなぁ……。そん時は、心臓の方が痛かったからな…」
「まったく。人騒がせな裏切り者だ。晋助を混乱させやがって…」
「あぁまったくだ」
「晋助を混乱させて良いのは俺だけなのに」
「何言ってやがる。死ね。くされバカめ」
「………なんか色々ヒドくない?」
「知るかハゲ。俺ぁもう寝る」
「えぇっ!?ちょっと!ιι」
「じゃあな」
「晋っ……………。あーあ。行っちゃった。まぁ良いか。…………俺も寝よ」

俺の恋人は、
オオキナヨロコビを抱えて
眠りについた………。










おしまい。

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