小説その他

□ぼくらのせんせい
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ここ、スクエニアカデミーは、全国から選りすぐりの武術、剣術、魔法の能力を持った者たちが集まってくるのだったが、
素晴らしい能力に加えて皆何らかの特殊な性癖がある人ばかり…、ええい、ざっくばらんに
いってしまえば変態ばかり集合していた。

フェロモン鬼畜系学園長(ぞーまさん)の陰謀(いじめともいう)により筋金入りの変態が机を並べるC組は、
朝っぱらから濃ゆい雰囲気に包まれていた。
かたぎの人間でさえ一発でアッチ行きになってしまいそうだった、と
たまたまC組前廊下担当になってしまった掃除のおばさんはのちに語る。



「オイ聞いたかよ非常勤講師!!」
「ああ知ってるとも! あ・の! わ・れ・ら・が!」
「勇者さんだーーーーー!!」
「ワーーーー!!!!」
「うひょーーーーーーー!!!!!!」


勇者さんとは

後に世界をも救うといわれている伝説の勇者。剣術は勿論、武術、回復魔法、攻撃魔法をも使いこなす。それに加えお可愛い顔立ちの持ち主で、女性は勿論、男性にも人気なのだった。


「ああ勇者さん勇者さん…オレはこの日のために10kg体重を落とし整形手術を施し」

「勇者さん……ハァハァ本物の勇者さんに会えるなんて!」

「あううゆうしゃさん…あぁっあなたと…今日ついに…!勇者さん僕は、僕はアーーー!!」
「わー誰かがぶっ飛んでったぞ!」
「今日で5人目だな、すさまじい鼻血の圧力だ……気持ちは、分かる」

「これから始まるめくるめく勇者さんとのラブロマンス……」
「教師と生徒、燃え上がる禁断の恋!ああ!」

「オレなんて式場予約してきたもんねー!」
「てっめーそういうのを抜け駆けって言うんだよ!」

「シークレットカードがさー、どうしても出ないんだよなー」
「生クリームのやつ?」
「観賞用と保存用と永久保存用に三枚は欲しいところだよね」

「No,4789632?すっげーオレ5百万台だぜ!」

「今度のゆうたん抱き枕シリーズはなんとうさぎさんパジャマらしいぞ!」
「ウオッまじかよ! 即買いだよ!! 発売日いつ? いつ?」

「フィギュアなら僕はやっぱり第二弾が秀逸だと思うね、勇者さんらしさがでている」
「いや俺は関節の稼動と表情の滑らかさからいって第七弾を押すな」
「でもポーズだけでみれば第五弾が萌えじゃない?」

「勇者さんは僕のことが…すき…きらい…すき…きらい…すき…」

「なぁなぁ今週のユウマニみた?」
「みたよー38ページの勇者さんは恐ろしく可愛らしかったね!」
「そうそうあの頬から顎にかけてのラインが」
「66ページの勇者さんの節目がちな憂いを帯びた顔が」
「ストレッチしている41ページの足の開きぐあいと腰が」
「ていうか勇者さんならなんだって」
ちなみにユウマニというのはゆうしゃ☆マニアクスの略である。隔週刊。木曜日発売。
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