黒バス

□木吉と
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なあセンパイ、想像してみて。


「火神がこれから何十年も先、ずうっとオレの隣にいるイメージ?」


そう。
オレはな、よく想像するんだ。
そのたんびにすっげえ幸せな気分になれるから、センパイにも幸せのお裾分け。


「うーん…」


なのにセンパイは首を捻って唸り始めた。
なんで? ここは にこにこ、笑うとこじゃねえの?


「それは想像できないな、ごめん」


しかも聞きたくなかった、っつーかそれこそ想像もできなかった言葉を投下された。
なんで。
センパイの未来にオレはいねえの?
この想像はオレだけの妄想?


「だから、」


考えたくもないことを考えて、たぶんすっげえぶさいくな顔になったオレの頭に大好きなてのひらの感触。
じわり、触れたとこから拡がる温かさと愛しさに、やっぱりそんな悲しい想像は想像できなかった。

すると。


「想像しなくてもいいように、ずーっと隣にいて」


くしゃり、髪をかき混ぜられながら聞こえた言葉。
沈んでいた心を振り切って顔を上げると、優しく笑うセンパイと目が合った。

先輩、想像力乏しいんだよ。なんて言うセンパイは、本当はきっと誰よりも想像力豊かだと思う。センパイのどんな言葉でオレがどんな反応をするのかわかってて言うんだ。なんてひどいセンパイだ。
だけどそんなセンパイがオレは大好きだから言ってやる。


「しょーがねえなあ。オレのすばらしい想像を、センパイにも見せてやるよ」


そしたら笑顔いっぱいのキスが降ってきた。

オレとセンパイの。
幸せ、二乗だ。



END
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