黒バス

□青峰と
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「あ、ちょっと待て」
「、は? ここまできて焦らしプレイとかいらねんだけど」


ベッドの上。裸で抱き合い濃厚なキスをかわし、いざ挿入、という場面で火神が青峰を止めた。
寸止めされ青峰は、既にはち切れんばかりのモノを無理矢理に押し込もうと腰を動かす。


「そーじゃなくて、」


そんな青峰に軽く頭突きを食らわせ火神は続ける。


「うち明日内科検診だから。痕つけんなよ」
「……」


あっけらかんと言われたそのセリフに、青峰の加虐心が芽を出した。


「…オーケー」


了承してみせたが心で舌を出して笑い、待たされた分、初めから強く欲望の塊を火神に打ち付けた。





***





「火神君、次うちのクラス検診ですよ。早く体操服に着替えないと」
「…、あー…」


火神のクラスは二時間目が検診で一時間目は普通に授業だった。その一時間目というのが火神の大嫌いな古典だったため、昨日の行為の疲れも手伝ってか襲われる睡魔には勝てず、眠気に身を任せ火神はぐっすりと眠っていた。
黒子に促され、まだぼんやりとする頭のまま火神は机の脇に掛けてある体操服に手を伸ばし、そして着ていたシャツを脱ぎ捨てた、

時に事件は起こった。


「……火神君、それ…」
「……んあ?」


まだ寝ぼけ眼の火神、黒子がおっかない顔で凝視する場所に目を向けると、


「………」
「………」
「………………な、」


黒子が耳を塞ぐ。


「なんっっだコレーーーッ!!!!」


火神の叫びは教室の外にまで響いた。


「…まったく…一体どんなつき合いをしているんですか青峰君と」
「えっ」
「ダメじゃないですか、付ける時はちゃんと次の日の予定を把握していないと」
「うっ」


迷惑そうに耳を塞ぎ顔をしかめた黒子に諭され火神は混乱した。
相手が青峰だとバレていたこともそうだが、それ以前、自分の身体いっぱいに付けられた無数の赤い痕を目の当たりにして。

あれほど付けるなと言ったのに。そう言えば返事までに微妙な間があり、その後青峰は笑っていたような気もする。
今となっては後の祭りだが、思えば思うほど青峰への怒りが沸々と込み上げてきた。


「どうするんですか? 男子は移動時こそ体操服を着ていますが、検診の時は脱ぐんですよ?」
「…虫、刺されとかに…」
「見えませんね。てゆーか刺されすぎです」
「実はオレじんましんで!」
「苦しいです」


どの案も瞬時に却下され、しかしどうにかしなければならない火神は涙目。形振り構っていられず黒子にすがった。


「……ど、うしよう黒子…!」
「知りませんよ、自業自得でしょう」
「……ッ!」


しかし血も涙もなく見放され。
どうする術も見出だせず、火神は渾身の力で叫ぶしかなかった。


「ッッッ、青峰のバカヤローーーッ!!!!」


やはりその怒号は、今度は校舎の外にまで響いた。



END
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