黒バス

□青峰と
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トントン、

コトコト、

グツグツ、


夕食時特有の音が心地好く響く。
真っ黒なエプロンを付けた恋人の後ろ姿をリビングのソファーに沈み込みながら見つめていた青峰は、我慢できなくなり手際よく手を動かしている恋人である火神の隣に立った。そして後ろから腰を抱き寄せ肩口に顎を乗せる。


「、わ! 何だよお前、ジャマ!」
「なあ大我もうガマンできねえ。ちょっと喰っていい?」
「…あ?」


突然の青峰の出現に危うく包丁を落としそうになったが、子供のように甘えてくる姿が何だかかわいらしく、火神は諫めるのは止めスプーンでスープをひと掬いした。


「しょーがねーなあ。ちょっとだけだぞ?」
「………マジ?」
「おう」


そして青峰はペロリと火神が差し出したスープ、ではなくて、


「…ちょっ! お前何し…っ!」
「ん? だって喰っていいって言ったじゃん」
「……………は、」



「あああああ、味見のことだろアホがーーーッ!!!!」



火神の項に口づけ、するりとエプロンの脇からシャツの中へと手を忍ばせた。

青峰の行為に火神は固まる。それをいいことに青峰は既に辿り着いていた胸の突起を弄りたおす。
唇は未だ項から首筋の辺りを舐め回し、左手で胸を、右手は浮き出た腰骨をいやらしく撫でる。


「お、ま…っ! どこ触ってんだよッ!」
「乳首と腰骨、間もなくケツとチン…」
「そーゆーこと聞いてんじゃねェ!!」


ようやく我に返り状況を察した火神は好き放題している青峰の腕をつねり上げた。それでも青峰の愛撫は止まない。
直接的な言葉にこれからナニをされるのか思い知らされたが、このまま好きにさせてたまるかと必死に抵抗する。流されて行為に及んでは、せっかくの料理も冷めてしまう。
そう、こんな時でさえ、火神の頭の中はいつだって食べることが中心だった。


「、ンあッ!」
「オマエだってイイ声出してんじゃん、」
「ち、がッ! これは…ッ」
「意地張んなって、大人しく喰わせろよ」
「……っ!」


しかし息巻いたのも束の間、抵抗虚しくついに火神自身に辿り着いた青峰の指になぶられ、火神の体はピンと張ったまま動けなくなってしまった。
幾度となく体を重ねてきたふたり、愛し合った記憶が蘇り出したくなくても甘い声が出てしまう。


「あ、おみね…」
「大丈夫、オマエ喰い終わったらちゃんとメシも食うから」
「………」


そーゆー問題じゃねえ、そう思ったが火神は言えず、まあ料理も食べてくれんならいっか、と、結局青峰にされるがまま流されてしまうのであった。

青峰の方も蕩け始めた火神の表情に、ちょっとだけじゃ済まないかも…と、ゴクリと唾を嚥下し唇を舐めた。



END
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