黒バス

□その他と
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お風呂ってめんどくさい。
だってなんであったまりたいのに裸になるの? 矛盾してない? それにあったまるのはその時だけで出たらすぐ冷えるし、って言ったらそれはお前がよくあったまってないからだって神ちんにおこられた。神ちんおかーさんみたい。って言ったらまたおこられた。


「ヘリクツこねてねーでさっさと入って来い! お湯冷めちまうだろ!」
「えーーー…」
「そんな目で見てもダメ!」
「じゃあ脱がしてーお風呂場まで運んでー」
「子供か! つか重いし運べるわけねーし!」
「いーじゃん神ちんのけちー」


何を言っても却下される。ガミガミガミガミうるさいなあ、あ、だから神ちんなのか納得ー。


「………だぁから、ふざけてねーで早く入れっつってんの!!」
「わー神ちんカオこわーい室ちんみたーい」
「紫原!!」


とうとう本気で怒ってしまったようだ。ホント短気だよね神ちんて。まあ本気になったところでこわくないけど。


「じゃあさー自分で脱ぐし自分でお風呂場まで行くからー」
「………」
「一緒に入ってそして洗って」
「やだよ!」
「なんでー」
「………」


オレの譲歩案にも神ちんは首を縦に振らない。どっちがわがままだし。
でもまあ知ってるし。真っ赤になって押し黙ったその顔で、神ちんの考えてることぐらい。


「神ちんえろーい」
「なっ、なにが!」
「もーそーするとか神ちんむっつりー」
「ちちちちげぇっ! してねぇっ!!」
「ふーん?」


その慌てようが逆に肯定しちゃってるって、気づいてないのかな? 気づいてないよねー神ちんだもん。
…てゆーか、みるみる赤くなる神ちんを見てたら……、なんかもう、オレの方が神ちんの妄想に取り込まれちゃったし。責任とって。


「神ちんやっぱり一緒に入ろう」
「だっ、だから嫌だってば!」
「いーよ、オレ自分で洗うし」
「…じゃあ、なんで」
「神ちんの妄想通りー」
「はぁっ? ……って、わっ!」


がっちりと神ちんをホールド。そして肩に担ぐ。オレでかいから余裕で神ちんのこと持ち上げられちゃうわけー。


「ちょっ、紫原! 下ろせ!」
「神ちんの妄想通りにしてあげるしー」
「ななななななにをっっ」
「オレが脱がして洗ってあげるし」
「!!!!」


ボンッて音がしそうなほど沸騰した神ちんはお風呂よりも熱そうだ。これなら時間が経っても冷めないし、オレも喜んで入るし。
神ちんの中に。


「たたっ頼んでないっ!! しなくていーから!!」
「よくないしー。だってオレ妄想で赤くなった神ちん見てたらむらむらしちゃったし。紫原なだけに?」
「アアアアホかっ!」


肩で暴れる神ちんの拳が頭に降ってきたけど気にせずお風呂場に向かう。
だって寒いし早くあったまりたいし。神ちんが言ったことでしょ?


「じっくりあったまろうね、神ちん」
「っ、……の、変態…っ!」
「神ちんの言う通りにしてるだけだしー。オレえらくない?」


そう言ったら神ちんは「バカ」って呟いて大人しくなった。
うん。めんどくさくて大っキライなお風呂も、好きになれそうだ。










「普通に風呂であったまれ!! バカッ!!」
「いでっ」


逆上せきった神ちんに殴られた。



END
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