黒バス

□物置
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「マジかよ! それ見すぎだろー!」
「えーっ?! フツーだろー?!」
「いやいやフツーじゃない、そりゃ見すぎだ!」
「え〜〜〜っ?!」

「随分盛り上がってるな、なんの話だ?」

「あ、木吉! いやそれがな、コガが…」
「オレ違うって! そーだ、木吉にも聞いてみよう!」
「ん? なんだ?」
「あのな、木吉は一日にどれくらいカガミ見るっ?」
「えっ……」
「そんなに見ないよなぁ? それが聞いてびっくりコガなんて…」
「…いや、数えたことないけど……すげえ見るな」
「だよなー! …って、え……?」
「いや、そりゃ見るだろ。てゆーか見掛けたら見ちゃわないか?」
「…え、あれ…? 木吉ってナルシスト…だっけ…?」
「ん? ナルシスト?」
「ほらなー! 別にオレだけじゃないって! 木吉も一緒!」
「え、コガもそうなのか?」
「まあオレは木吉ほどじゃないけどね。朝とかは絶対見るし、風呂上がりとかジロジロ見ちゃうんだよなー、鍛え抜かれた裸体を」
「え、……裸体を?」
「うん。バスケ選手としてボディーラインのチェックをね!」
「いやいや言うほどコガ筋肉ないだろ」
「うるさい伊月!」
「…裸体、って……火神のか…?」
「ん? どーした木吉、つかなんで火神?」
「……」
「なんだよなんだよ沈んじゃってらしくないな!」
「……いや、だってコガもだとか言うからびっくりして…」
「そんなに驚くことかぁ? まあオレらも衝撃だったけどな、まさかのコガ、ナルシスト説」
「だから違うって!」
「…ところで、さっきからそのナルシストってどういうことだ?」
「…え、まさか鉄平ナルシストも知らない…?」
「いや、ナルシストはわかるけど、なんでナルシストなのかがわからん」
「いやだから、そりゃナルシストだろーよ一日に何回もカガミ見てたら」
「だから、火神見たらどうしてナルシストなんだ? 愛じゃないのか?」
「だからカガ……、え? 火神…? つか愛…?」
「火神の話だろ? 今」
「………」
「みんな火神火神言ってたじゃないか、一日にどれくらい見てるかとか。それがどうしたらナルシストに繋がるんだ?」
「………あの、木吉さん…? まさかとは思うけど、それ、本気…?」
「え? 火神への思いはいつだって本気だぞ?」
「いや違え! そんなこと聞いてねえ!」
「…うっわ、やっぱり木吉って天然…!」
「いやでも確かにコッチが木吉だろ、ナルシストの木吉とか想像できない…」
「確かに…。ああ、だからさっきいきなり火神とか言い出したのか…」
「ん? 何言ってんだみんな」
「……だからな、オレたちが言ってんのは『鏡』の話であって『火神』の話じゃない。『火神』の話してんのは、お前だけ」
「…え?」
「………」
「…………ああ! 鏡か!」
「いや気づけよ! つか発音違ーだろ!」
「なーんだ、そーゆーことか。オレはてっきりコガが火神の裸体見てるのかと思って殺意が芽生えたよ」
「えっ、違うし! って殺意?!」
「笑顔でコワイことさらっと言うな!!」
「ああ、謎が解けて安心したよ、良かった良かった」
「うん、マジで良かった!」
「……ところで、あの……木吉は火神のこと…?」
「ん? 好きだよ?」
「またさらりと言った!!」
「だから見掛けたら見ちゃうし、てゆーか探しちゃうんだよなー自然と」
「この人ほんまもんや……!」
「ん? どうしたみんな」
「いや、なんでも…!」
「おかしな奴らだなあ。…あ! おーい火神ー!」
「(すっげえデレデレじゃん…!)」



END
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