黒バス

□物置
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「火神っちー! 今年もやって来たっスね、オレたちの日!」
「は? オレたちの日ってなんだっけ?」
「まったまた〜とぼけちゃって! だからぁ、オレと火神っちがうふふであははでいやんな日っスよ!」
「……暑さで頭沸いたかついに」
「じゃあ早速ヤっとく? シチュエーションはどんながいい? 特に希望がなければいつも通りかっこいいオレがかっこよく押し倒すけど!」
「意味わかんね、つかかっこいいお前とか知らな――、わ!」
「火神〜ダメだぞ知らない人について行ったら〜」
「…え、木吉センパイ?」
「今日はオレと火神が一日中イチャイチャできる大事な日なんだから他の人に近寄っちゃダーメ」
「…あんたもかセンパイ…ってセンパイはいつも変人だから果たしてコレが異常なのか通常営業なのかわかんねえ」
「とりあえず手始めにキスしようなー」
「え、」
「……って何さらっと出てきてさらっと火神っち奪ってんスか! 今日は黄火の日なんス! ジャマしないでくれるっスか?!」
「あれ? 黄瀬くんだっけ?」
「…むっ! そうっスよ!」
「わかってるじゃないか黄瀬くん、そう、今日は木火の日だからジャマしないでどっか消えてもらえるかな?」
「何言ってんスか! 黄火の日なんだからアンタが消えるのがフツーっス!」
「え? なんで?」
「だから黄火の日だから! 黄瀬と火神の日!」
「……木吉と火神の日だろ?」
「ええええ違う! だって7はオレの番号っスもん!」
「え、7はオレの番号だろ?」
「……ちょ、同じ『きか』だし同じ『7』だし……何コレすごいややこしい!」
「うん。じゃあややこしいから黄瀬くんは消えようか。黒バス界から」
「何笑顔ですごいこと言ってんのこの人ーーー! こわい! 誠凛こわいっス火神っち一緒に逃げよう!!」
「ちょっと待って黄瀬くん」
「何スか! 今せっかく愛の逃避行するとこだったのに!」
「なんなら火神に決めてもらおうか」
「……え?」
「どっちとヤりたいか」
「う…! さわやかなフリして超ストレート!」
「まあオレに決まってるけどね、火神の口から言われれば黄瀬くんも納得できるでしょ」
「…随分な自信っスね、最近フラグ立ちまくってるからって…。いいっスよ、受けて立つっス。去年いなかった人に負けるわけないっスから! ついでに言うと人気投票だってオレ勝ってるしね!」
「…黄瀬くん」
「何、怖じ気づいたっスか? もうやめないっスよ」
「いや、モデルやってるからってかっこいいとは限らないよね、って」
「……は?」
「外見よりも大事なものがあるからね」
「…え、」
「オレの方が背もあるし」
「ちょ、」
「あーあー可哀想だなー。黄瀬くんに投票してくれた人、黄瀬くんはこんなに卑屈な人間だって知ったら傷つくだろーなー」
「卑屈って! それをアンタが言うっスか!」
「さ。じゃあ火神に聞いてみようか」
「しかも非道! 人のこと陥れて話先に進めてる!」
「なあ火神。火神は誰とヤりたい?」
「、え?」
「遠慮はいらないぞ、一思いに言ってやれ」
「そーっス火神っち! 先輩だからって気を遣うことないっス、正直に答えていいんスよ!」
「何だよ二人とも。散々オレのことほったらかしで盛り上がってたクセに、いきなりすげーこと聞いてくんのな」
「さあ火神!」
「火神っち!」
「……なにこれ、これオレ答えなきゃいけないの?」
「答えなきゃイケないぞ火神!」
「イキたかったら答えるっス!」
「……なんかビミョーにニュアンス違う気がしてコエーんだけど…」
「火神!」
「火神っち!」
「…あー……、」
「「ゴクリ」」
「………………………アレックス」
「「………え、」」
「アレックスなら抱かれてもいーなオレ。強いし優しいし、…かっこいいし」
「「アアアアアアレックスゥ?!」」
「うん。じゃ、答えたしオレ帰るわ。ハラ減ったし」
「………まさかの外人!」
「てゆーか誰!!」



END
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