復活

□フランと
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大変ですー。

ミー、ベルセンパイを見てると、












ムラムラします。





「何キモイこと言ってんだよ」
「あ、聞こえちゃいましたー?」
「声出てんだよバカエル」


いつものように談話室のソファに寝そべっているセンパイの足元にミーもムリヤリ腰掛けた。そんなミーをセンパイはゲシゲシと蹴飛ばして落とそうとしてくるからイラッとして上に覆い被さってやった。


「なんてゆーかーベルセンパイって存在がエロイんですー」
「はぁ? 何だよエロイって。つーか顔ちけーし」
「猥褻物陳列罪ですよー猥褻物陳列罪」
「ワイ、セ…? チン?」


ミーの高等な言葉の羅列に下等なセンパイの頭はついてこれなかったようで頭の上にハテナマークをいっぱい浮かべている。おまけに首まで傾げちゃって何気に卑猥な言葉を口にしてしまっていることにすら気づいていないセンパイは堪らなく可愛い。あーもう天才とか言われてる割には頭弱いし本当エロイですー。さらにおまけにミーが上に乗っかっても文句ひとつ言ってこないし(顔が近いっていうのは文句じゃありませんー)。
そんなセンパイのあまりの可愛さにぎゅうっと首に抱きついて肩口に顔を埋めてみた。…かったけど、頭の上のカエルが邪魔をしてそれはできなかった。ちっ。なので仕方なくセンパイの上に乗っかったまま両肘をついてセンパイを見つめた。


「…何王子のこと見下ろしてんだよ、カエル」
「やー、いい眺めですー」
「重い。退け!」
「それは嫌ですー」


だって本当にいい眺め。
ここからだと全部丸見えなんです、センパイのふわふわの髪も薄い唇も、シャープな顎のラインもつんと突き出た喉仏も、そして、いやらしく浮き出た鎖骨も。視線を下にずらせば破れたセーターから覗く腰骨まで見える。

センパイは本当に自分のエロさに気づいてない。
全部がミーを熱くする。


「…おい、」


思い切り息を吸い込めば胸いっぱいに広がるセンパイの匂い。
あー、本格的に熱くなってきましたー。


「おいっ! カエル!!」
「……あ、あ? なんですかーセンパーイ」
「…なんかあたってんだけど」
「え?」
「は・ら!」
「はら?」
「腹!!」


センパイの上でセンパイを堪能してたらセンパイの声が聞こえてきて。センパイに言われた通りにセンパイの腹の部分に目をやると…


「…ああ、」
「ああ、じゃねえ! 何おっ勃ててんだよっ!」


センパイの言う通り、ミーの分身はとっても元気よく勃ち上がりセンパイのお腹を刺激していた。
でもそれは仕方ない、


「言ったでしょう? ムラムラする、って」
「この変態ガエル!! 降りろ、今すぐ降りろっ!!」
「嫌ですー降りませんー」


ミーを蹴落とそうとするセンパイとセンパイから離れまいとするミー。嫌がるセンパイにわざと擦り付けるように腰を動かしてみたりもした。そうすると怒りからか快感からかビクッと揺れるセンパイの腰。ついつい楽しくて調子に乗ってしまう。嫌がる生娘をヒィヒィ言わせる悪代官て、こんな気分だったんですかねー。

しかし楽しいのもそろそろおしまい。どうやら前者だったらしいセンパイは、頂点に達した怒りに任せそろりと体のあちこちに隠し持っているナイフに手を伸ばした。やばいやばい、この至近距離でアレを投げられたらさすがのミーでも死んじゃいますー。


「センパーイ、また遊んでくださいねー」


なので、ムラムラは鎮火してないし名残惜しいけど死んでしまったら意味がないのでパッとセンパイから飛び降りた。そしてナイフを警戒しつつセンパイの方を向いたまま扉に手を掛ける。

すると。


「おい、フラン!」


飛んできたのは、ナイフの代わりにセンパイの声で。

しかも、きょとんとするミーに投げ掛けられた続く言葉に、ミーの脳内にはまたまたムラムラが呼び起こされてしまった。



「王子もムラムラしちゃったじゃん。どーしてくれんの?」

「………」



うしし、そう笑いながら立ち上がり近づいて来るセンパイは、


あーもう、本当にエロ可愛い!!



「ミーが責任とりますー!」



fine.
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