§Love Melody§
□§Love Melody§
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「君、芸能界に興味はあるかい?」
「……え?」
休日の午後。
買い物をする為いつものように街中を歩いていたら、見知らぬ男に突然声を掛けられた。
その言葉の内容に不信感を抱いた桃色の髪の少女は、顔をしかめる。
「あぁ、これは失礼。怪しいキャッチでは無いから安心したまえ」
「…充分に怪しいと思いますけど」
少女は疑わしい目で目の前の男を見つめた。
大柄で黒い肌が特徴のその男は、瞳の奥に何か大きな力を秘めて少女を見つめ返す。
「やはりいい瞳と声だ。久しぶりのシンデレラガール誕生、かな?」
「…あの、貴方は一体……」
「これは私の名刺だ。もし少しでも興味があるなら是非そこに来てくれたまえ。続きはそこで話そう」
「え…ちょっ…あの…!」
「いい返事を期待しているよ」
男は半ば強制的に名刺を握らせ、深い笑みを浮かべてその場を立ち去っていった。
「…何なんですの…?」
少女は名刺を握ったまま呆然とし、暫し男の後ろ姿が消えた方向を見つめていた――……。
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