Original Novel

□いつか、夢みた、あの…。
1ページ/2ページ

―俺は…俺、は…―

またあの時の夢を見た…あれ以来毎日のように見るようになった、あの出来ごとの夢を…
いつものように、夢から目を覚めると見知らぬ天井が目に映った

風音「目、覚めたか?」

肩までの薄緑色をポニーテール気味に束ね前髪を垂らしている。瞳は茶色。
顔は整っていて美人の部類だ
そんな女性急に視界に入って来た

刹那「Σッ!?」

驚いて起き上がろうとしても、力が入らず身体が動かなかった

風音「無理するなよ。取り敢えずは、何か食べれるか?って言っても御粥くらいしかないけどな」

何て言ってるのか聞き取れない
意識が次第に朦朧としてくる

風音「Σあ、おい!!…ったく」

最後に聞こえたのはこんな言葉だった。
それから何日経っただろう
また目が覚めると今度は額に手を置かれていた

風音「熱は…下がったみたいだな」

あの女性の声がした
一度目に目が覚めた時よりは意識がハッキリとしている

風音「今度こそ御粥食ってもらうからな?」

刹那「……君は…誰?」

そう、何かを食べるより先に彼女の名を知りたかった
この状況から見て俺を助けてくれた人物と認識できるからだ

風音「オレか?オレは九条風音」

刹那「九条、風音…さん。
えっと…有り難う御座います…」

上体を起こすのはまだ辛かったが、助けて貰った礼はしっかりと言わなければ人間として失格だ

風音「そんなことより。動けるなら自分で食べろ」

刹那「あ…はい。」

ズイっと御粥を渡され、ゆっくりと食べた
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ